SQL Serverで安全かつ効率的にデータベースを運用するためには、障害発生時の復旧戦略を明確にしておくことが欠かせません。その中核となるのが、「復旧モデル(リカバリーモデル)」です。
- トランザクションログの肥大化に悩んでいる
- どこまでデータを戻せるのか不安がある
- 差分・ログ・完全バックアップの使い分けが曖昧
復旧モデルの選定は、障害発生時にどの時点までデータを戻せるか(復元ポイント)や、日々のバックアップ設計、ログの管理方法に大きく影響します。誤った設定のまま運用を続けると、いざという時に必要なデータが復旧できない可能性も。
本記事では、「シンプル」「完全」「バルクログ」の各復旧モデルの仕組みと違いを整理し、目的や業務要件に応じた選び方をわかりやすく解説します。
目次
復旧モデルとは?
復旧モデルは、データベースごとに設定できる運用ポリシーであり、障害時の復元精度やトランザクションログの運用に影響を与えます。設定によって、以下のようなポイントが異なります:
- トランザクションログの保持と再利用方法
- バックアップの種類と頻度
- 復元できる時点(例:ポイントインタイムリストア可否)
復旧モデルの種類
SQL Serverでは、次の3種類の復旧モデルが用意されています。それぞれの特徴を順に見ていきましょう。
1. 単純復旧モデル(Simple Recovery Model)
もっとも軽量なモデルで、開発環境/テストDB/ログ蓄積が不要な一時用途などに使われます。このモデルではトランザクションログは定期的に自動クリアされます。
- トランザクションログのバックアップは不要。
- 障害時は「最後のフルバックアップ」または「差分バックアップ」時点までしか復元不可。
- ログサイズの管理が容易だが、データ損失リスクは高くなる。
2. 完全復旧モデル(Full Recovery Model)
トランザクションログをすべて保持し、バックアップ管理も含めて柔軟な復元が可能な高機能モデルです。業務システム、基幹業務DB、財務情報など高信頼性が求められる場面で主に使われます。
- すべての変更内容がログに記録される。
- ログバックアップを定期的に行う必要あり。
- 障害時に任意時点への復元(ポイントインタイムリストア)が可能。
3. 一括ログ復旧モデル(Bulk-Logged Recovery Model)
バルクインサートなど大量データ処理時のパフォーマンスを優先する中間モデルです。
- 通常は完全復旧と同等だが、大量データ操作時にログを簡略化。
- バルクロード中の障害はポイントインタイムリストア不可。
- ログ領域の削減とパフォーマンス向上が可能。
復旧モデルごとのデータリスク
復旧モデルの選択は、バックアップ体制だけでなく「データ消失リスク」にも直結します。適切なモデルを選ばない場合、復元できない範囲が広がり、重要なトランザクションが失われる危険があります。以下に復旧モデルごとの主なデータリスクを整理します。
- 単純復旧モデル:ログが自動上書きされるため、フル/差分バックアップの間に行った操作は復元不能になるリスクあり。
- 完全復旧モデル:ログバックアップを定期取得していないと、ログ領域が膨張し、障害時の復旧作業に支障をきたす危険あり。
- 一括ログ復旧モデル:バルク操作中の障害では、対象期間のトランザクションは復元不可能なため、大量処理の前後は事前バックアップが必須。
いずれのモデルでも、復旧可能な範囲やリスクを理解し、事前に運用ルールを明確にすることが、信頼性の高いシステム運用の第一歩です。
【要注意】メーカーや修理業者に依頼することのリスク

トラブルに直面したとき、多くの方がまずメーカーや修理業者への依頼を考えるかもしれません。
確かに本体の修理や部品交換は可能ですが、HDDやSSDなどの記憶媒体の初期化・交換によって、データは全て消えてしまいます。
失いたくないデータを守りたい場合は、メーカーや修理業者ではなくデータ復旧の専門業者に相談するのが確実です。デジタルデータリカバリーではデータを保ったまま、故障した機器に対応できます。以下の3つの点で多くの方に選ばれています。
- 相談実績46万件以上(2011年1月~)の豊富な対応経験に基づき、個人・法人問わず幅広いトラブルに対応
- 一部復旧を含む復旧件数割合91.5%(※内、完全復旧57.8%。復旧件数割合=データ復旧件数/データ復旧ご依頼件数。2023年10月実績)という業界トップクラスの技術力
- 他社で「復旧不可」とされた機器の対応実績が7,300件越えにものぼり、独自の復旧技術を保有
大切なデータを守るには、メーカーや修理業者ではなく当社にご相談ください。
なぜデジタルデータリカバリーでは復旧困難な機器の復旧事例が多いのか
デジタルデータリカバリーはこれまで数々の復旧に成功してきました。復旧事例が多いのには、理由があります。
業界トップクラスの実績

私たちデジタルデータリカバリーは、14年連続で国内売上No.1(※1)。累計46万件以上(※2)の相談実績をもとに、あらゆるデータトラブルと向き合ってきました。
「データが戻ってくるかどうかは、最初の診断で決まる」
そう言っても過言ではありません。
最大の強みは、その“症例データの蓄積数”。
すべての相談内容を電子カルテのように管理し、障害のパターンと復旧手法を社内でデータ化。
これにより、問題の切り分けが圧倒的に早くなり、対応スピードと成功率の向上につながっています。
その結果、48時間以内に対応を完了した件数は全体の約80%。
一部復旧を含む復旧件数割合は91.5%(※3)と、業界でも高水準の成果を出し続けています。
国内最高峰の復旧設備

復旧の成功事例の多さは、デジタルデータリカバリーの技術力の高さを象徴しています。復旧成功の要因として、次の点が挙げられます:
- 蓄積された知見に基づき、障害箇所を正確に特定
- 最新技術を駆使した独自の復旧手法を開発
- 精密な環境での復旧作業(専用クリーンルーム完備)
これらの要素が、他社では対応が難しいケースでも「不可能を可能に」しています。
「他社で復旧できなかった機器のご相談件数7,300件超」ですので、他社で復旧してもらえなかった機器であっても、デジタルデータリカバリーでは復旧できる可能性もございます。是非ご相談ください。
初期診断・相談・見積まで無料で対応可能
初期診断とは、機器に発生した障害の原因を正確に特定し、復旧の可否や復旧方法を確認する工程です。デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が「初期診断」を行い、内部の部品にダメージを与えることなく問題を見つけます。
データ障害のパターン15,000種類以上もありますが、「ご相談件数46万件超」(算出期間:2011年1月1日~)を持つ当社は、それぞれの障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
※1:データ復旧専門業者とは、自社及び関連会社の製品以外の製品のみを対象に保守及び修理等サービスのうちデータ復旧サービスを専門としてサービス提供している企業のこと、 第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく。(集計期間:2007年~2020年)
※2:期間:2011年1月1日~
※3:2023年10月実績。一部復旧:完全復旧に至らなかったが、一部復旧できた場合。完全復旧:復旧希望データを100%復旧できた場合。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
機器の状態によって故障の程度が異なりますので、復旧完了までにいただくお時間はお客様の機器お状態によって変動いたします。
弊社は、復旧完了までのスピードも強みの1つで、最短即日復旧・ご依頼の約8割を48時間以内に復旧完了などの実績が多数ございます。ご要望に合わせて柔軟に対応させていただきますので、ぜひご相談ください。
営業時間は以下の通りになっております。
365日24時間、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。お困りの際は是非ご相談ください。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
電話番号:0800-333-6302
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。