Oracle Database を利用していると、リカバリ操作の最後に「ALTER DATABASE OPEN RESETLOGS;」というコマンドを実行する場面に遭遇することがあります。これは一見すると単なる再起動操作のように見えますが、実はデータベース全体の履歴構造をリセットする、極めて重要かつ危険を伴う処理です。
このコマンドの誤った理解と使用は、以下のような深刻なトラブルを招くリスクがあります。
- 不整合なログ履歴によるデータの損失
- バックアップとの非整合状態の発生
- リカバリ不能な状態に陥る可能性
RESETLOGS を実行する前には、そのタイミングと影響範囲を正確に把握しておく必要があります。特に、「完全リカバリが不可能な状態」や「インコンプリートリカバリ後」など、限定的なケースでのみ使用すべきであり、むやみに実行すると取り返しのつかない結果となることもあります。
本記事では、「RESETLOGSとは何か?」という基本的な定義から、そのリスク、適切な実行タイミング、実行後の注意点までを、初心者にもわかりやすく丁寧に解説します。データベース管理の現場で正しい判断を下すための指針として、ぜひご活用ください。
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目次
ALTER DATABASE OPEN RESETLOGS;とは
このコマンドは、Oracle データベースのリカバリ操作完了後に実行され、ログファイルの履歴をリセットしてデータベースをオープン状態に戻す役割を持っています。具体的には、新しい REDO ログシーケンス番号の開始と、データベースの新しい「インカネーション」(履歴の分岐点)を作成します。
これにより、それまでの REDO ログとの整合性を保てなくなる代わりに、現在の状態を基準とした一貫性のある新しい履歴がスタートします。
使用が必要となる主なケース
以下のような状況で「ALTER DATABASE OPEN RESETLOGS;」の実行が必須となります。
不完全リカバリ(Incomplete Recovery)後
指定時点までしかデータを戻さないリカバリ操作では、REDO ログとの整合性が失われるため、RESETLOGS により新しいログ履歴を作成する必要があります。
バックアップ制御ファイルを使ったリカバリ
バックアップ制御ファイルを使ったリカバリは、ログの整合性が崩れやすく、RESETLOGS によるリセットが必要です。
フラッシュバック操作後
保証されたリストアポイントに戻した場合、現行ログと履歴が不整合となるため、REDO ログの履歴を断ち切って RESETLOGS で開く必要があります。
RESETLOGS使用時の注意点
このコマンドは便利である一方で、以下のような重要な注意点があります。
新しいインカネーションの開始
RESETLOGS を実行すると、データベースは「新しいインカネーション(履歴の枝分かれ)」に入ります。つまり、以前のログとの互換性がなくなり、それ以前のアーカイブログは復旧に利用できなくなります。
実行直後にフルバックアップを推奨
RESETLOGS実行後のデータベースは、過去のバックアップと互換性がなくなるため、必ずこの時点でフルバックアップを取得する必要があります。これを怠ると、次回以降に障害が発生した際の復旧が極めて困難になり、重大なデータ損失を招く恐れがあります。大切なデータを守るためにも、RESETLOGS直後のバックアップ取得を徹底してください。
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実行手順
RESETLOGS の実行は非常にシンプルですが、慎重さが求められます。以下に具体的な手順を示します。
リカバリ完了後にデータベースをマウント状態で維持
リカバリ完了後すぐにデータベースをオープンせず、マウント状態にしておきます。これは、RESETLOGS 実行前にログや制御ファイルの整合性を確認するためです。
- RMAN もしくは SQL*Plus でリカバリ処理を完了する
- データベースを MOUNT 状態のまま維持する
- ログ・制御ファイルに不整合がないかチェック
ALTER DATABASE OPEN RESETLOGS の実行
整合性を確認したら、以下のコマンドを実行してデータベースをオープン状態に戻します。これにより REDO ログがリセットされ、新しい履歴が開始されます。
- SQL*Plus を起動
ALTER DATABASE OPEN RESETLOGS;
を入力- 正常に開いたことを確認
直後にフルバックアップを取得
RESETLOGS 実行後は、過去のバックアップを流用できなくなるため、必ずこの時点のデータベースをフルバックアップしてください。これにより、次の障害時にも迅速に対応可能になります。
- RMAN またはバックアップツールで FULL BACKUP を開始
- バックアップログを取得して保存
- リストアポイントとして文書化
RESETLOGS を誤って使用した場合や実行タイミングを誤ると、以下のような深刻な問題に発展する可能性があります。
- 過去のアーカイブログがすべて無効となり、リカバリ不能に陥る
- 不完全な状態で RESETLOGS を実行し、破損したデータベースが「正常」と見なされてしまう
このようなトラブルを避けるためには、事前の準備と実行後の対処が非常に重要です。
RESETLOGS は、誤った手順で実行するとリカバリ不能になるリスクがあります。もし以下のような状況に該当する場合は、データ復旧の専門業者に早めに相談することを強くおすすめします。
- どのタイミングで RESETLOGS を実行すべきか判断できない
- 制御ファイルや REDO ログに破損の疑いがある
- 重要な業務データを含んでいるため、慎重な操作が求められる
操作に自信がない場合や、万が一の事態を避けたい場合は、以下のようなサポートをご利用ください。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。