- レプリケーションが突然止まり、更新がスレーブに反映されない
- SHOW SLAVE STATUSで「Slave_IO_Running」や「Slave_SQL_Running」が「No」になっている
- エラーコードやログに「Duplicate entry」「Missing table」などの異常が記録されている
こうした症状が発生している場合、MySQLレプリケーションはすでに「停止状態」に陥っています。放置すれば、マスターとスレーブ間のデータ整合性が失われ、本番環境のサービスにも甚大な影響を及ぼす可能性があります。
スレーブの停止には、SQLエラーやネットワーク障害、バイナリログの欠損など複数の原因が考えられ、それぞれに適した復旧方法を講じる必要があります。適切な対応を怠ると、復旧が難しくなるだけでなく、障害の再発リスクも高まります。
本記事では、MySQLレプリケーションが停止する主な原因と、ケース別の具体的な復旧手順について、わかりやすく解説しています。重要な業務データを安全に守るためにも、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
MySQLレプリケーションが停止する原因
MySQLのレプリケーションが停止する背景には、ソフトウェア的なエラーからハードウェア、ネットワークの問題までさまざまな要因があります。放置することで以下のような深刻な問題につながるリスクもあるため、速やかな原因特定と対処が重要です。
たとえば以下のような影響が考えられます。
- マスターとレプリカのデータ整合性が崩れ、バックアップとしての信頼性を損なう
- レプリケーションを前提としたフェイルオーバーや冗長化機能が無効化される
- ログが取得できず、運用監視に支障が出る
次に、具体的な原因を項目ごとに確認していきましょう。
SQLエラー(データ不整合)
マスターとレプリカ間でデータ不整合が発生していると、SQLの適用時にエラーが発生し、レプリケーションが停止します。代表的なものには、一意性制約違反(Duplicate entry
)や、外部キー制約(Foreign key constraint
)の違反などがあります。
こうした不整合は、マスターとレプリカでデータベースの状態に差異がある場合に発生しやすく、レプリケーションを再開するには正確なデータ同期が必要となります。
バイナリログの削除(マスター側)
レプリカがまだ処理していないバイナリログをマスター側でローテーションや削除してしまうと、必要なログが取得できず、レプリケーションが停止します。
これは、ログ保管期間の設定やディスク容量不足による自動削除などが要因となるケースが多く、特に長時間停止していたレプリカを再起動した際に発生しやすいです。
ネットワーク障害
マスターとレプリカ間の通信が一時的に遮断されたり、パケットロスやタイムアウトが発生したりすると、レプリケーションプロセスは自動的に停止します。
これは、物理的なネットワーク障害だけでなく、ファイアウォール設定やDNS解決の不具合なども原因となる場合があります。特にWAN越しのレプリケーションでは、こうした通信トラブルの影響を受けやすくなります。
認証エラー
レプリケーションに使用されるユーザーのパスワードが変更されたり、権限が不足している場合、マスターへの接続ができず、レプリケーションが停止します。
また、MySQLのバージョン差異により、権限の仕様が変化していることもあり、適切なGRANT文が適用されていないケースもあります。接続エラーのログには「Access denied」や「Authentication plugin」の記載が見られることがあります。
設定ミス/構文エラー
「CHANGE MASTER TO」コマンドの記述ミスや、my.cnf(設定ファイル)でのパラメータの不備によって、レプリケーションが正しく構成されていないと、接続時や再起動時にエラーが発生し、レプリケーションが開始されません。
特に「MASTER_LOG_FILE」や「MASTER_LOG_POS」の指定が誤っている場合、意図しないデータの不整合も招く可能性があります。
ディスク容量不足
レプリカ側のディスクに十分な空き容量がない場合、relay log(中継ログ)を保存できず、レプリケーションが停止するおそれがあります。
この現象は、ログの蓄積に気づかず容量が逼迫した場合や、バックアップ処理と重なって一時的に使用量が急増した際に発生しやすくなります。さらに、ディスク容量不足はMySQLのレプリケーションだけでなく、本体の稼働そのものに影響を及ぼすリスクがあるため、見落とすことなく早期に対処する必要があります。
そのためには、容量監視やログの適切なローテーション、リソース競合の回避など、日常的な運用管理が求められます。万が一、レプリケーションが停止した場合は、誤った復旧操作によってデータの整合性が損なわれる可能性もあるため、慎重な対応が必要です。
データベース運用で問題が発生した際には、正確な診断と対策を迅速に行うことが重要です。専門的な知識と豊富な実績を持つ当社では、障害発生時の原因調査からデータ整合性の回復まで、包括的な支援を提供しています。
初期診断とお見積りは無料で、24時間365日対応しています。レプリケーション停止や容量不足に不安を感じたら、まずはご相談ください。
MySQLレプリケーション停止の復旧方法
このエラーに直面した場合、下記の対処法を試してください。
SQLエラーをスキップして一時復旧する
Duplicate entryや外部キー違反などで停止した場合、一時的にエラーをスキップすることでレプリケーションを再開できます。ただし根本解決ではないため、後から整合性確認が必要です。
- SHOW SLAVE STATUS\G を実行し、Last_SQL_Error の内容を確認します。
- 以下のコマンドでエラーをスキップします:
SET GLOBAL SQL_SLAVE_SKIP_COUNTER = 1;
START SLAVE;
を実行し、レプリケーションを再開します。
ダンプ取得によるレプリカ再構築
マスターのバイナリログが消失している場合、レプリカは元に戻せません。この場合、マスター側でdumpを取得し、レプリカを再構築します。
- マスター側で以下のコマンドを実行:
mysqldump -u root -p --all-databases --master-data=1 > dump.sql
- レプリカ側でdump.sqlをインポート:
mysql -u root -p < dump.sql
- 適切なポジションを指定して
CHANGE MASTER TO ...;
START SLAVE;
で再構築します。
START SLAVEで再開(ネットワーク復旧後)
一時的なネットワーク障害で停止していた場合、復旧後にSTART SLAVEで再開できます。
- SHOW SLAVE STATUS\G で Slave_IO_Running が “No” になっていることを確認。
START SLAVE;
を実行。- 再度
SHOW SLAVE STATUS\G
を確認し、状態が “Yes” に変わっているかを確認。
認証情報を再設定する
Access denied などのエラーが出ている場合は、レプリケーションユーザーの権限やパスワードに問題があります。新しい情報で再設定しましょう。
- SHOW SLAVE STATUS\G を実行し、Last_IO_Error に Access denied が表示されていないか確認。
- 以下のように再設定:
CHANGE MASTER TO MASTER_USER='repl_user', MASTER_PASSWORD='new_password';
START SLAVE;
で再開。
CHANGE MASTER TOの設定を見直す
ログファイル名やポジションが誤っていると、レプリケーションがうまく進みません。再設定することで正常化できます。
- SHOW SLAVE STATUS\G で Master_Log_File, Read_Master_Log_Pos を確認。
- 正しい情報をもとに再設定:
CHANGE MASTER TO MASTER_LOG_FILE='mysql-bin.000123', MASTER_LOG_POS=456789;
START SLAVE;
で再開。
relay logの整理と容量確保
スレーブ側のディスク容量不足で停止している場合は、不要ファイルの削除やストレージの拡張で対応します。
- df -h コマンドでディスクの空き容量を確認。
- 不要なファイルや古いrelay logの削除を実施。
- 空き容量を確保後、
START SLAVE;
を実行し、再開を確認。
複雑なトラブルや再構築が困難な場合でも、データベースの専門業者に相談することで、リスクを最小限に抑えながら確実な復旧を目指すことができます。特に業務システムに関わる重要なデータを扱っている場合は、迅速かつ適切な対応が求められます。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。