- RAID1で運用していたNASが突然アクセスできなくなった
- 共有フォルダが見えない、接続エラーが出る
- 管理画面にアクセスできず、ディスクの状態も確認できない
こうした症状が現れた場合、NAS内部またはRAID構成に深刻な障害が発生している可能性があります。
RAID1はミラーリングにより高い冗長性を持つため「片方のディスクが無事なら大丈夫」と考えがちですが、この油断がデータ消失という最悪の結果を招くケースも少なくありません。特に、NAS本体やRAID制御に障害が起きた場合、正常なディスクからもデータにアクセスできなくなる危険性があるため、安易な再起動や初期化は避けるべきです。
本記事では、RAID1構成のNASで起こりうる障害とその影響、そして適切な対処法について、専門的な視点から詳しく解説します。
もし「何が起きているか分からない」「重要データが消えたかもしれない」とお悩みでしたら、私たちが24時間365日無料で初期診断を行っています。無理な自己対応をする前に、まずは状況を正しく見極めましょう。
目次
NAS故障時にRAID1構成でデータが読み取れなくなる原因
RAID1は高い冗長性を持ちますが、それでもNAS全体の構造やOSに問題が発生すれば、データへのアクセスは遮断されてしまいます。ここでは、RAID1 NASでのデータアクセス障害につながる代表的な原因を整理し、それぞれのリスクについて解説します。
RAID1の仕組みに関する誤解と限界
RAID1は「ミラーリング」によって同一データを2台のHDDに同時書き込みすることで、片方のドライブに障害があっても冗長性を保てる設計です。しかし、これは「バックアップ」ではありません。
たとえば、ユーザーが誤ってファイルを削除した場合、その操作は即座にミラーされたもう一方にも反映され、データは完全に消失します。また、ウイルス感染やファイル破損も同様に複製されるため、RAID1だけではこうしたデータ損失には対処できません。
加えて、RAID1構成では容量の半分しか実質使えないという制限もあります。さらに、片方のHDDが故障したまま放置すると、もう一方も間もなく故障するリスクが高まり、データ完全消失に繋がります。
NAS本体の物理的・システム的障害
NASは単なるHDDの集まりではなく、電源、マザーボード、メモリ、冷却装置、OSなど多様なコンポーネントで構成されています。これらのどれか一つが故障しても、RAIDアレイ全体へのアクセスが不能になる可能性があります。
特に以下のようなケースが報告されています:
- 電源ユニット(PSU)の故障により起動不可
- RAIDコントローラーやマザーボードの故障による認識不能
- NAS OSの読み込みエラーによるアクセス不能
- RAMの不具合でRAID情報が正しく読み込まれない
たとえHDD自体が正常でも、NAS筐体が障害を起こしていれば、データにアクセスすることは困難になります。特にQNAPやSynology製NASでは、ファームウェア更新に伴う不具合が発生する事例も少なくありません。
NAS OSやRAID構成情報の破損

RAID1はミラーリングによって信頼性を高めた構成ですが、決して万能ではありません。たとえHDDが無傷でも、RAID情報を管理するNASのOSやファームウェアに不具合が生じると、RAID構成自体が正しく認識されず、データにアクセスできなくなる恐れがあります。
実際に、RAIDアレイ情報(メタデータ)はNASのOSやファームウェアに依存していることが多く、異なる機種のNASにHDDを接続しても認識されないケースも少なくありません。NAS本体の障害が複合的に発生した場合、RAID情報の解析が必要となり、一般的な知識や市販ソフトでは対応が難しくなります。
さらに、RAID1であっても以下のような深刻なリスクが潜んでいます。
・HDD2台が同時に故障し、ミラーリング機能が無力化する
・RAID構成が誤操作によって上書き・再構築され、データが消失する
・NAS OSのアップデートが失敗し、システム自体が起動不能になる
こうした状況では、自己判断での対応は避けるべきです。RAID構成の破損やNASの重度障害は複雑で、適切な解析と復旧には専門技術が必要です。
だからこそ、早めの専門業者への相談が鍵となります。当社では、RAID構成の解析やNAS機器からのデータ復旧において豊富な実績を有しています。46万件以上の相談対応実績(期間:2011年1月以降)に基づき、一部復旧を含む復旧件数割合91.5%(内、完全復旧57.8%。2023年10月実績)という高い成果を上げています。
初期診断とお見積りは無料で、24時間365日体制で対応しています。RAIDトラブルの兆候が見られたら、まずは専門家にご相談いただくことを強くおすすめします。
RAID1 NAS障害時の具体的な対処法
RAID1構成のNASで障害が発生した場合、原因によってはデータへのアクセスが可能なケースもあります。しかし、誤った対応はデータ消失を引き起こす恐れがあり、慎重な判断が求められます。以下では、障害の種類に応じた実践的な対処法を段階的に解説します。
初期対応と安全な確認手順
NASに障害が発生した際、最も重要なのは「まず害を与えない」という原則に基づいた冷静な対応です。RAID1構成であっても、対応を誤るとデータは簡単に失われてしまいます。ここでは障害発生直後に行うべき初期対応と、絶対に避けるべき行動を具体的に解説します。
- すべての書き込み操作を停止する:NASへのアクセス、ファイル保存、アプリの操作を含む書き込み系統のすべてを止めます。可能であればNASをネットワークから切断し、自動同期やバックアップの誤作動も防ぎます。
- 症状の観察と記録:NASのLEDインジケータの色や点滅パターン、異音(カチカチ、シャーなど)を確認し、管理画面にアクセス可能な場合は表示されるエラーメッセージを記録します。
- データにアクセス可能な場合は直ちにバックアップ:デグレード状態でデータ閲覧が可能な場合、最も重要なファイルから順に外部メディアへ保存します。これはリビルド前の唯一のチャンスとなる可能性があります。
- 深刻な物理障害が疑われる場合は即座にシャットダウン:異音がある場合、無理な操作は避けて安全に電源を落とし、通電状態のまま放置しないようにします。継続稼働は障害の悪化を招く恐れがあります。
- 焦ってNASを再起動・リビルドしない:再起動や自動リビルドは、状況を悪化させることがあります。特にドライブの状態や障害の原因が不明なままの対応は禁物です。
NASのリビルド機能を使った復旧
RAID1構成のNASで、片方のHDDが故障していると特定でき、NAS本体やOSが正常な場合は、リビルド機能を活用することでRAIDアレイの冗長性を回復できる可能性があります。以下の手順で安全にリビルドを実施します。
- 障害ドライブの特定:NASのLEDインジケータや管理画面の警告から、どのドライブが故障しているかを確認します。SMART情報も活用します。
- NASのシャットダウン:ホットスワップ非対応機種では、NASの電源を切ってから作業します。
- 故障ドライブの交換:容量と性能が同等以上の新品HDDに交換します。
- NASを再起動し、管理画面にアクセス:交換ドライブが認識されたことを確認します。
- リビルドの開始:「修復」「回復」などの名称でリビルド手順を開始。完了まで数時間〜十数時間かかる場合があります。
- 進捗の監視と完了後の確認:NASが正常にRAID1として再構成されたか確認します。
RAID1ドライブをPCに接続してデータ抽出
NAS筐体やOSに問題がある場合、RAID1を構成していた正常なドライブをPCに接続し、専門ソフトを用いてデータを取り出す方法があります。これは物理障害がない場合に限られ、安全な手順が必要です。
- NASの電源を切り、HDDを慎重に取り外す:元のベイ番号をメモして、静電気に注意しながら扱います。
- HDDをSATA-USBアダプタ等でPCに接続:Windowsの場合、フォーマットを促されても決して応じないでください。
- RAID対応のデータ復旧ソフトを使用:ext4、XFS、BTRFSなどLinuxファイルシステムに対応し、RAID認識機能を持つソフト(例:R-Studio, ReclaiMe)を使用します。
- スキャンとプレビューでデータを確認:安全な保存先(別のドライブ)を選んでデータを抽出します。
- 必要に応じてLinux Live環境を使用:Ubuntu+mdadmで読み取り専用マウントし、手動でデータをコピーする方法もあります。
専門データ復旧サービスの活用
RAID1構成で両方のHDDが故障している場合、異音がある場合、または復旧に自信がない場合は、専門業者への依頼が最も確実で安全な手段となります。
- 物理障害や原因不明の複雑障害がある場合:HDDの異音、起動不能なNAS、RAIDメタ情報破損などは、DIYよりも専門対応が安全です。
- クリーンルームでの作業が必要なケース:HDD開封や部品交換は、クラス100の無塵環境でなければデータが失われるリスクがあります。
- 高価値データ・業務データの損失防止:法人・官公庁・個人を問わず、損失が業務停止や重大な影響を及ぼす場合は、成功率と信頼性が高い専門業者の選定が推奨されます。
- 当社の対応実績:「一部復旧を含む復旧件数割合91.5%(内、完全復旧57.8%。復旧件数割合=データ復旧件数/データ復旧ご依頼件数。2023年10月実績)」の復旧成功率と、「46万件以上の相談実績(2011年以降)」を活かした迅速対応が可能です。
- 初期診断・見積もりは完全無料:迷ったら、まずは専門スタッフによる安全な診断をご利用ください。
重要なデータを守るために、専門業者の診断が最も確実な選択です

NASの障害は単純なHDDの故障にとどまらず、電源ユニット、RAIDコントローラー、NAS OSなど、多くの要素が複雑に関与します。自己判断で対応すると、RAID情報を誤って初期化してしまい、復旧が不可能になるリスクもあります。
RAID1のミラーリング機能は確かに強力ですが、システム障害時の「正しい取り出し手順」を知らなければ意味がありません。誤った操作が命取りになる前に、まずは正確な原因の特定と、最適な復旧戦略の立案が必要です。
当社では、RAID・NAS障害に特化した専門チームが常駐し、無料の初期診断と迅速な復旧対応を提供しています。
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NASが起動しない、RAIDが認識されないなどの異常を感じたら、今すぐ当社の無料初期診断をご依頼ください。
自力で対応できない場合はデータ復旧の専門業者に相談する
自力で対応できない場合や、機器が物理的に破損している場合、個人での修復は困難です。重要なデータが含まれている場合、データ復旧専門業者に依頼するのが最も安全です。
データ復旧業者では、問題の根本原因を特定し、安全にデータを回復する最善の方法を提案できます。デジタルデータリカバリーでは、相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
デジタルデータリカバリーの強み
デジタルデータリカバリーは、「データ復旧専門業者14年連続データ復旧国内売り上げNo.1」の実績を持つデータ復旧業者です。データ復旧の技術力として、「データ復旧率最高値95.2%」を誇っています。
また、データ復旧業者の最後の砦と言われる所以として、「他社で復旧できなかった機器のご相談件数7,300件超」の実績を信頼いただいています。他社で復旧してもらえなかった機器であっても、デジタルデータリカバリーの復旧技術であれば復旧できたという事例も多数ございます。是非ご相談ください。
初期診断・相談・見積まで無料で対応可能
初期診断とは、機器に発生した障害の原因を正確に特定し、復旧の可否や復旧方法を確認する工程です。デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が「初期診断」を行い、内部の部品にダメージを与えることなく問題を見つけます。
データ障害のパターン15,000種類以上もありますが、「ご相談件数46万件超」(算出期間:2011年1月1日~)を持つ当社は、それぞれの障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
機器の状態によって故障の程度が異なりますので、復旧完了までにいただくお時間はお客様の機器お状態によって変動いたします。
弊社は、復旧完了までのスピードも強みの1つで、最短即日復旧・ご依頼の約8割を48時間以内に復旧完了などの実績が多数ございます。ご要望に合わせて柔軟に対応させていただきますので、ぜひご相談ください。
営業時間は以下の通りになっております。
365日24時間、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。お困りの際は是非ご相談ください。
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電話番号:0800-333-6302
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。