RAIDは、複数のハードディスクやSSDを1つの装置のように扱える技術であり、高い冗長性を備えています。しかし現実には、「冗長=安全」とは限りません。
- データが安全になると思ってRAIDを導入した
- 構成や運用方法について深く考えずに設定してしまった
- トラブル発生時に「RAIDだから大丈夫」と思い込んでしまった
こうした油断が原因で、かえって大切なデータを失ったり、莫大な復旧コストが発生するケースもあり、特にRAIDだからこその複雑さが、迅速な対応を妨げる要因になりがちです。
本記事では、RAID導入前に必ず押さえておくべき7つのデメリットと、現実的なリスク対策を詳しく解説します。RAIDを「安全に」使うために、今すぐチェックしてください。
RAID構成でトラブルが発生した場合は、自己判断による対応は大変危険です。まずは無料診断(24時間365日対応)をご利用いただき、安全な復旧の可能性を探りましょう。
目次
RAID運用の注意点と7つのデメリット
RAIDの仕組みは便利ですが、実際の運用にはいくつか注意すべきポイントがあります。以下のような落とし穴があることを理解しておきましょう。
①データ消失リスクを過小評価しがち
RAIDはディスクが壊れてもデータを守れる仕組みですが、「人為的なミス」や「ウイルス感染」などには無力です。たとえば、うっかり重要なフォルダを削除してしまった場合、RAIDの種類に関係なくすべてのディスクからそのデータが消えてしまいます。
こうしたトラブルを防ぐには、「世代管理付きバックアップ」や「クラウド保存」などの対策が必要です。RAIDだけに頼るのは危険です。
②複数のディスクが一度に壊れることもある
RAID 0は1台でも故障するとすべてのデータが失われます。RAID 5も、2台同時に壊れるとアウトです。しかも、実際には「同じ時期に買ったディスクが、ほぼ同じタイミングで壊れる」ことがよくあります。これを「バースト故障」と呼びます。
特に暑い場所や負荷の高い環境では、ディスクの寿命が一気に短くなることもあります。リビルド(壊れたディスクの復旧)中にさらに他のディスクが壊れてしまい、すべてのデータが消えるケースも少なくありません。
③意外と容量が使えない
RAID 1や10では、実際にデータを保存できるのは全体容量の半分だけ。RAID 5や6も、バックアップ用の仕組み(パリティ)に容量を使うので、思ったよりも保存できるデータ量が少なくなります。
そのうえ、クラウドなどに別途バックアップをとる場合は、その費用もかかるため、結果的にRAIDを使わないよりもコストがかかることもあります。
④導入や運用にお金がかかる
RAIDを組むには、ディスクを複数用意するだけでなく、RAID専用の機器(コントローラー)や停電対策の装置(UPS)、冷却の強化など、さまざまな付属設備が必要です。
RAID 6や60のように、4台以上のディスクが必要になる構成もあるため、中小企業では導入コストが大きな負担になることもあります。
⑤復旧に時間がかかることもある
RAID構成の中でディスクが1台壊れた場合、予備ディスクに内容を復元する作業(リビルド)が行われます。この作業は、数TBクラスのディスクだと、丸一日以上かかることもあります。
この間、他のディスクに大きな負荷がかかり、万が一もう1台でもエラーが出ると、リビルドに失敗してデータを完全に失う恐れがあります。業務を止めたくない場合は、バックアップサイトの構築なども検討したほうが良いでしょう。
⑥運用には専門的な知識が必要
RAIDの構築や運用には、専門的な知識が欠かせません。どのRAIDレベルを選ぶか、どうやってエラーを見分けるか、障害が起きたときにどう対応するかなど、管理者のスキルが問われます。
機器によっては、専用の設定ツールや独自の仕様があり、それらを正しく使いこなせないと、せっかくのRAIDが機能しないこともあります。
⑦書き込み速度が落ちる・寿命がそろって尽きることも
RAID 5やRAID 6を運用する際は、「安全そうに見えて実は落とし穴が多い」という点を理解しておく必要があります。
これらのRAIDは、パリティ(誤り訂正用の情報)によってデータの冗長性を保つ仕組みですが、その分、処理にかかる負荷も大きくなります。特に、小さなファイルを大量に読み書きするような作業では、次のようなパフォーマンス低下が顕著に現れます。
- パリティ計算の負荷が高く、書き込み速度が遅くなる
- 読み書きのたびにCPUやRAIDコントローラに負担がかかる
さらに見落とされがちなのが、ディスクの寿命に関するリスクです。複数のHDDやSSDを一括で導入した場合、すべてのディスクが同時期に寿命を迎えたり、1台のディスクが壊れて再構築中に、別のディスクも故障する可能性が高まります(=多重障害)。
RAIDを使っていても、こうしたリスクがあることから「安心」とは言い切れません。だからこそ、RAID構成だけに頼らず、異なるタイミングでディスクを導入し、寿命の集中を避けるか、必要に応じてRAID以外の冗長化手段も検討することが重要です。
RAIDの導入は決してゴールではなく、あくまでデータ保護の一手段です。「もしもの時」に備える運用こそが、本当の意味での安全につながります。
RAID障害時は自己復旧を避け、専門業者への早期相談が鍵となります

RAID構成のトラブルやディスク障害が発生した際には、自己判断での復旧を避け、早めに専門業者に相談することが重要です。構成情報やパリティデータの破損を招くと、復旧可能性が大きく低下してしまいます。
当社では、RAIDの構造に応じた専用の復旧技術を持ち、これまで46万件以上の相談実績(期間:2011年1月以降)と、一部復旧を含む復旧件数割合91.5%(内、完全復旧57.8%。2023年10月実績)という成果を積み重ねています。障害内容に応じた適切な診断を無料で行い、最適な復旧プランをご案内いたします。
複数台構成のストレージで異常が見られた場合は、速やかな対応が重要です。初期診断とお見積りは無料、24時間365日体制でご相談を受け付けています。
自力で対応できない場合はデータ復旧の専門業者に相談する
自力で対応できない場合や、機器が物理的に破損している場合、個人での修復は困難です。重要なデータが含まれている場合、データ復旧専門業者に依頼するのが最も安全です。
データ復旧業者では、問題の根本原因を特定し、安全にデータを回復する最善の方法を提案できます。デジタルデータリカバリーでは、相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
デジタルデータリカバリーの強み
デジタルデータリカバリーは、「データ復旧専門業者14年連続データ復旧国内売り上げNo.1」の実績を持つデータ復旧業者です。データ復旧の技術力として、「データ復旧率最高値95.2%」を誇っています。
また、データ復旧業者の最後の砦と言われる所以として、「他社で復旧できなかった機器のご相談件数7,300件超」の実績を信頼いただいています。他社で復旧してもらえなかった機器であっても、デジタルデータリカバリーの復旧技術であれば復旧できたという事例も多数ございます。是非ご相談ください。
初期診断・相談・見積まで無料で対応可能
初期診断とは、機器に発生した障害の原因を正確に特定し、復旧の可否や復旧方法を確認する工程です。デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が「初期診断」を行い、内部の部品にダメージを与えることなく問題を見つけます。
データ障害のパターン15,000種類以上もありますが、「ご相談件数46万件超」(算出期間:2011年1月1日~)を持つ当社は、それぞれの障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
機器の状態によって故障の程度が異なりますので、復旧完了までにいただくお時間はお客様の機器お状態によって変動いたします。
弊社は、復旧完了までのスピードも強みの1つで、最短即日復旧・ご依頼の約8割を48時間以内に復旧完了などの実績が多数ございます。ご要望に合わせて柔軟に対応させていただきますので、ぜひご相談ください。
営業時間は以下の通りになっております。
365日24時間、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。お困りの際は是非ご相談ください。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
電話番号:0800-333-6302
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。