RAID再構築（リビルド）が進まない問題に直面しているユーザーにとって、これは大きな不安の種です。特に、データの消失リスクがある場合、適切な対応を行わないと状況が悪化する可能性があります。
本記事では、RAID再構築が終わらない主な原因と、その対処法について詳しく説明します。適切な対応を知り、データの安全性を確保しましょう
目次
RAID再構築が終わらない原因
RAID再構築が遅延したり、停止したりする主な原因は複数あります。
これらの原因は、システムの設計上の問題やハードウェアの故障など、さまざまです。以下に代表的な原因を紹介します。
リビルド中の負荷
RAIDリビルドは非常に高負荷な作業です。特に古いディスクや既に劣化しているディスクがリビルドの負荷に耐えられず、途中で故障してしまうケースがあります。これが原因でリビルドが停止したり、進行が極端に遅くなることがあります。
RAID構成の誤認識
RAIDコントローラーやNASがRAID構成を正しく認識できない場合、再構築が正常に進まないことがあります。この誤認識により、RAIDアレイが一貫性を失い、再構築が進行しない状態になることがあります。特に、不適切なディスク交換や設定変更が行われた場合、この問題が発生しやすくなります。
不適切な操作
リビルド中にシステムに対して適切でない操作を行うと、構成情報が破損し、リビルドが完了しない原因になります。特に、リビルド中にディスクを追加したり、電源を切るといった行為は非常に危険です。こうした操作は、RAIDシステム全体の崩壊を引き起こす可能性があるため、慎重に取り扱う必要があります。
ファイルシステムの障害
ファイルシステムの破損が原因で、データの再構築が完了しないことがあります。この場合、RAID自体の問題ではなく、データの一部が不正な形式で保存されているため、再構築プロセスが停止することがあります。ファイルシステムの障害は、特にRAID5やRAID6などの高度なRAID構成で発生しやすいです。
ディスクのパフォーマンス低下
RAIDを構成しているディスクの読み書き速度が低下している場合、再構築に非常に長い時間がかかることがあります。特に、老朽化したディスクや、断片化が進行しているディスクではこの問題が顕著です。リビルドの途中でディスクが反応しなくなる場合もあります。
ディスクの故障が併発
RAIDは複数のディスクで構成されているため、1台が故障すると他のディスクにも負荷がかかり、さらなる故障を招くリスクが高まります。
特に同時期に製造されたディスクは、劣化の進行が似通っているため、最初の故障が他のディスクの故障を誘発することがあります。
複数のディスクで物理障害が発生した場合、市販の修復ソフトでは回復できない可能性が高く、むやみに操作を続けるとデータの損傷が深刻化する恐れもあります。
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RAID再構築が終わらないときの対処法
RAID再構築が進まない場合、データ消失リスクを軽減するために迅速かつ適切な対処が必要です。以下に、具体的な対処法を説明します。
バックアップを取る
リビルド作業を開始する前に、必ず最新のバックアップを取っておくことが重要です。これにより、万が一再構築が失敗した場合でも、データを安全に復元できます。バックアップを取る際は、すべての重要なファイルが確実に保存されているか確認しましょう。
- RAIDシステムの状態を確認し、アクセス可能なデータをすべて外部メディアにコピーする。
- NASやRAIDコントローラーのバックアップ機能を使用してデータを保護する。
- 定期的にバックアップを実行し、最新の状態を保つ。
リビルド中はアクセスを控える
リビルド中は、データへのアクセスをできる限り控え、システムに負荷をかけないことが大切です。データの読み書きが頻繁に行われると、リビルドの負荷がさらに増大し、故障のリスクが高まります。特に、データベースや仮想マシンなどの運用が絡む場合は注意が必要です。
- リビルド中のシステムへのアクセスを停止する。
- 重要なデータベースやファイル共有サービスを一時的に停止する。
- リビルド完了までシステムの使用を控える。
ディスクの健康状態をチェックする
再構築が進まない場合、ディスクの健康状態を確認することが重要です。劣化したディスクがリビルドの進行を妨げている可能性があるため、すべてのディスクの状態をチェックし、問題のあるディスクは交換する必要があります。
- RAID管理ツールを開き、ディスクの状態を確認する。
- 不良セクタやパフォーマンスの低下が報告されているディスクを交換する。
- 交換後、再度リビルドを開始する。
RAID構成を確認する
RAID構成情報が誤っている場合、リビルドが正常に進まないことがあります。このため、RAIDコントローラーやNASの設定を確認し、構成が正しいかどうかを確認することが重要です。誤った構成情報は、再構築を妨げる大きな要因になります。
- RAID管理ツールを開き、現在のRAID構成を確認する。
- ディスクの順序やRAIDレベルが正しいことを確認する。
- 誤った設定があれば修正し、再構築を再開する。
リビルドの進行を監視する
リビルド中は、進捗状況を定期的に確認することが重要です。進行が著しく遅れている場合や停止している場合、さらなるトラブルが発生している可能性があります。リビルドのステータスを確認し、問題がないか監視しましょう。
- RAID管理ツールやNASの管理画面を開く。
- リビルドの進捗バーやステータスを確認する。
- 進行が著しく遅れている場合は、ディスクやシステムの状態を再確認する。
専門業者への相談
リビルドが進まない場合や、データ消失のリスクが高い場合は、専門のデータ復旧業者に相談することを強くお勧めします。自力での対応はデータをさらに危険な状態にする可能性があるため、専門家の力を借りることで、安全かつ確実にデータを復旧できる可能性が高まります。
- リビルド作業を停止し、システムをシャットダウンする。
- データ復旧業者に問い合わせ、障害の内容を伝える。
- 診断と復旧作業を依頼し、データの安全性を確保する。
リビルドが進まない場合、無理な操作を続けるとデータが完全に失われるリスクが高まります。特に、物理的な故障が疑われる場合や、複数のディスクが影響を受けている場合は、迅速に専門業者へ相談することが最も安全です。
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※1 期間：2011年1月以降
※2 2025年9月実績。一部復旧：完全復旧に至らなかったが、一部復旧できた場合。完全復旧：復旧希望データを100％復旧できた場合
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これらの要素が、他社では対応が難しいケースでも「不可能を可能に」しています。
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初期診断とは、機器に発生した障害の原因を正確に特定し、復旧の可否や復旧方法を確認する工程です。デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が「初期診断」を行い、内部の部品にダメージを与えることなく問題を見つけます。
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※2：期間：2011年1月1日～
※3：2025年9月実績。一部復旧：完全復旧に至らなかったが、一部復旧できた場合。完全復旧：復旧希望データを100％復旧できた場合。
※4：算出期間：2016年6月1日～
よくある質問
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弊社は、復旧完了までのスピードも強みの1つで、最短即日復旧・ご依頼の約8割を48時間以内に復旧完了などの実績が多数ございます。ご要望に合わせて柔軟に対応させていただきますので、ぜひご相談ください。
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計ご相談件数50万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。
