・突然SSDが認識されなくなった
・接続しても読み込みが始まらず、データにアクセスできない
・バックアップも取っておらず、重要なファイルが心配
こうしたSSDトラブルは、前触れもなく起こることがあり、「突然使えなくなった」時点でデータが消失しているリスクがあります。
とくに長期間使用しているSSDでは、経年劣化によって内部のメモリチップやコントローラが正常に動作しなくなるケースもあり、慎重な対応が求められます。
無理な操作や初期化をしてしまうと、復元可能だったデータまで完全に失われてしまう可能性もあるため要注意です。
本記事では、SSDが認識されない・読み込まないときの原因と対処法を、データ復旧の専門家の視点からわかりやすく解説します。
大切なデータを守るために、安易な判断は避け、状況に応じて早めの対応を心がけましょう。
目次
SSDのメーカーと寿命の対応表
SSD(ソリッドステートドライブ)は、各メーカーが用途に応じた多様なモデルを展開しています。
一般的な耐用年数の目安はあるものの、使用環境や負荷によっては想定より早く寿命を迎えることもあり、突然アクセスできなくなるリスクもあります。特に長期間使用した外付けSSDでは、「認識されない」「アクセスできない」といった症状が見られることがあります。
これはセルの劣化や制御チップの異常など、寿命に関連する故障が原因で、SSDはHDDと違いトラブルの前兆が分かりにくい点にも注意が必要です。信頼性や寿命にはモデルごとの違いがあるため、用途に合った製品選びがデータ保護に重要です。
代表的なSSDメーカーと主なモデル、そして耐用年数の目安は以下の通りです。
メーカー | 主な機種 | 耐用年数の目安 |
Crucial(クルーシャル) | Crucial T500・MX500 | 5〜7年 |
KIOXIA(キオクシア) | EXCERIA PLUS G3・EXCERIA SATA | 4〜6年 |
Samsung(サムスン) | 980 PRO・990 PRO | 7〜10年 |
Western Digital(ウエスタンデジタル) | WD Blue SN580・WD Black SN770 | 4〜6年 |
Seagate(シーゲート) | FireCuda 530 など | 3~5年 |
一方で、SSDは精密な電子部品で構成されており、経年劣化とともに保存できるデータの書き換え回数にも限界があります。特に寿命が近づくと、突然パソコンに認識されなくなったり、データにアクセスできなくなるといった症状が発生することがあります。故障したSSDをメーカー修理に出すと、保存データが完全に初期化・消去されるケースがほとんどです。
SSDのデータ復旧は自力で可能?
「なんとか自分でデータを取り戻せないか」と考える方も少なくありません。しかし、SSDのデータ復旧はHDD以上に難易度が高く、誤った操作によってチップレベルでの障害を悪化させてしまう可能性もあります。
市販のデータ復元ソフトは、一部の軽度な論理障害(誤削除、軽度なファイルシステムエラーなど)には対応できますが、すべての状況に有効というわけではありません。とくに以下のようなケースでは、ソフトによる復元は困難です。
- SSDが認識されない、突然アクセスできなくなった
- 制御チップやメモリセルに障害が発生している
- 誤ってフォーマット・初期化したが、上書きされている可能性がある
データが必要な場合はデータ復旧業者に依頼するべき
仕事の資料や思い出の写真など、大切なデータが保存されたSSDにトラブルが発生した場合、自力での対応には大きなリスクがあります。
SSDはHDDと異なり、故障時に異音などの兆候が出にくく、突然認識されなくなるケースも多いため、原因の特定が困難です。また、誤った操作や復旧ソフトの使用により、チップ内部の状態がさらに悪化し、データが完全に失われてしまう恐れもあります。
確実にデータを取り戻すためには、専用設備と高度な技術を持つデータ復旧業者へ相談することが、最も安全かつ現実的な方法です。
当社では24時間365日体制で、相談から初期診断・お見積りまで無料で対応しております。お気軽にご相談ください。
SSDが認識されない主な原因とは?

SSDがパソコンで認識されなくなる原因は、大きく分けて以下の2つに分類されます。
- 論理障害:データ構造やファイルシステムのトラブル
- 物理障害:SSD内部の回路や基板、コントローラの破損
適切な対応を行うには、どちらの障害が発生しているのか正しく診断することが重要です。
論理障害とは?
「ディスクの管理」で確認した際に、SSDが未割り当てやRAWフォーマット、あるいはオフライン状態になっていることがあります。これらはソフトウェア上の障害です。
論理障害はデータが消えたり開けなくなるトラブルで、以下の原因が挙げられます。
- 誤って削除・フォーマットしてしまった
- ファイルシステムの破損
- ウイルス感染による異常
さらに、SSD特有の「TRIM機能(自動データ消去)」により、一度削除されたデータは高速で上書きされ、復旧が困難になる傾向があります。
物理障害とは?

物理障害は、SSD自体のパーツ破損や電子部品の故障によって起こるトラブルで、以下のような原因があります。
- 水濡れ、落下、衝撃
- 経年劣化によるコントローラや基板の不良
- 過電流や静電気による破損
SSDには書き込み上限があり、使用頻度が高いとある日突然寿命を迎えるケースも。「ファイルが開かない」「フリーズが頻発する」などの症状があれば、すぐに対処が必要です。
SSDはHDDと異なり可動部を持たないため、異音などの兆候が現れにくく、障害の進行に気づかないまま使用を続けてしまうケースが少なくありません。特に物理障害が発生した場合、一般のユーザーによる修理やデータ復旧は極めて困難です。基板の損傷修復やメモリチップ単位での解析・データ読取には、高度な専門技術と専用の設備を要します。
デジタルデータリカバリーでは、46万件以上の相談実績(期間:2011年1月以降)を持ち、一部復旧を含む復旧件数割合91.5%(※)と高い成果を誇ります。相談から初期診断・お見積りまで24時間365日体制で無料でご案内しています。
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対処法を試す前の注意点
SSDが認識しない場合、内部で深刻な不具合や障害が発生している場合があるため、下記のような行為を安易に行わないように注意しましょう。
フォーマット(初期化)
SSDが認識しない障害が発生した場合にパソコン上に「フォーマット(初期化)しますか?」などのエラーが表示されることがあります。フォーマットしてしまうとSSD内部のデータが全て失われてしまうため、安易に試さないようにしましょう。
通電
通電することで物理的な障害が悪化したり、データを誤って上書きする可能性があります。内部のデータが大切な場合は、機器をむやみに通電させないことが重要になるのです。
OSを再インストール(リカバリ)
OSを再インストールすると、データが消失する恐れがあります。よく取扱説明書などでOS再インストール(リカバリ)の手順が記載されていることも多いのですが、データの安全性は担保されないので、ご注意ください。
フォーマットやリカバリを行った場合は、元のデータが上書きされてしまい、自力で対応できない可能性が高いため、不用意な操作は控えて専門業者に相談するのをおすすめします。
SSDが認識しない時の対処法

SSDには物理稼働するモーターのような音を発するパーツがないため、壊れるときは、何の前触れもなく、突然壊れます。このような場合、どう対応すればよいのかわからず、頭を抱えてしまうかもしれません。SSDが認識しない時に、最初に試すことは以下の通りです。
ケーブルや接続ポートの確認
SSDが認識されない場合、最も基本的なチェックポイントが接続の物理的確認です。外付けSSDの場合は、USBケーブルの断線やポート側の不良もよくある原因です。
- 別のUSBケーブルに交換して接続してみる。
- 他のUSBポート(特にPC背面)に差し替える。
- 別のパソコンに接続し、認識されるか確認する。
デバイスドライバを更新する

デバイスドライバとは、ハード・ソフトウェアを制御するシステムのことです。ドライバが破損していたり、古いものが使われていたりする場合、SSDが認識しないことがあります。
- 「Windows」マーク→「メニュー」に進む
- 「デバイスマネージャー」を選択する
- 該当するデバイスドライバを右クリックで更新する
もし、デバイスマネージャーで外付けSDDが認識されているにもかかわらず、正常に開けない場合は、デバイスマネージャーからSSDのドライバーを右クリックして「更新」を選択すると、解決することがあります。
ただし、それでもデバイスマネージャー上のプロパディで「不明なデバイス」等と表示される場合、この方法で対処することは難しいため、操作は極力控えるようにしましょう。
ファイルシステムの修復
このエラーは、SSD内部のファイルシステムが破損している可能性があります。以下の手順に沿って、Windowsの「chkdsk」コマンドを使って修復を試みてください。ただし、この手法は物理的な故障には一切対応しておらず、物理的な故障が発生している機器に試すとかえって悪化する危険性があるため、重要なデータが保存されている場合は専門業者に相談しましょう。
- ドライブ文字を確認する
エクスプローラーを開き、問題のSSDが「E:」「F:」など、どのドライブ文字で表示されているか確認します。
※「フォーマットしますか?」のダイアログはキャンセルしてください。 - コマンドプロンプト(管理者)を開く
「スタート」ボタンを右クリックし、「Windowsターミナル(管理者)」または「コマンドプロンプト(管理者)」を選びます。
ユーザーアカウント制御の画面が出たら「はい」を選択。 - 修復コマンドを入力する
以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します。
chkdsk X: /f
※「X:」は先ほど確認したドライブ文字に置き換えてください(例:chkdsk E: /f
)。 - 修復完了まで待つ
自動的にチェックと修復が行われます。
エラーが見つかると修復され、内容が表示されます。完了までPCに触れずに待ちます。 - パソコンを再起動する
処理が終わったらパソコンを再起動し、SSDが正常に読み込まれるかを確認します。
BIOS設定をチェックする
BIOSやUEFI設定に問題があると、OSがSSDを認識できなくなります。特にAHCI設定や起動順位が影響する場合があります。
- PC起動時に「F2」「Delete」などでBIOS画面を開く。
- ストレージ情報にSSDが表示されているか確認。
- 必要に応じて「AHCIモード」への変更や起動順位の調整を行う。
セーフモードで起動する
内蔵SSDに異常が発生すると画面に何も映らなくなるため、一切の操作ができないように感じてしまいます。しかし、セーフモードという機能を使うことで、最低限の機能でパソコンを立ち上げることが可能です。
以下はセーフモードで起動する手順です。
- パソコンの電源を入れる
- Windowsロゴが表示される前に、Shiftキーを押し続ける
- ロゴが表示されたら、Shiftキーを離して、すぐに「電源」ボタンをクリックする
- Shiftキーを押しながら、「再起動」を選択する
- 再起動すると、「トラブルシューティング」画面が表示されるので、「詳細オプション」選択後、「起動設定」をクリックする
- 「再起動」をクリックして、「セーフモード」を選択し、Enterキーを押す
- パスワードを入力し、「ログイン」をクリックする
ただしセーフモードでも起動できない場合、SSDに個人では対処できない異常が発生している可能性が非常に高いです。この場合は専門家であるデータ復旧業者に相談しましょう。
ディスクの管理でフォーマットする
SSDに交換した直後のパソコンは、互換性の問題から、正しく認識できないことがあります。このような場合、フォーマットすることでトラブルが解決できる場合があります。
ただし、フォーマットを行うとデータがすべて消えてしまうため、機器の中に必要なデータがある場合、フォーマットは控えてください。
ディスクの管理でフォーマットする方法は次のとおりです。
- 「Windowsロゴキー + X」を押し、メニューから「ディスクの管理」を選択する
- ディスクの管理ウィンドウの、フォーマットしたいドライブを右クリックして「初期化」を選択する
- 「初期化の種類」ウィンドウが表示されるので、「MBR (Master Boot Record)」または「GPT (GUID Partition Table)」のいずれかを選択する
- ディスクが初期化されたら、再びドライブを右クリックして「新しいシンプルボリュームの作成」を選択する
- 「新しいシンプルボリュームの作成」が開くので、指示に従い、ボリュームのサイズ、ファイルシステム、ドライブレター、ボリュームラベルなどを設定する
以上の操作は事前にデータをバックアップした後に行いましょう。
>間違えてSSDをフォーマットしてしまったときの対処法はこちら
デジタルデータリカバリーならSSDの復旧に必要な専門のツールを保有しています。また、46万件以上の相談実績(算出期間:2011年1月~)を活かし、障害原因をデータベースから瞬時に特定するシステムも整備済みです。24時間365日対応のサポート体制で、いつでもご相談いただけます。データトラブルでお困りの際は、お気軽にお問い合わせください。
SSDのデータ復旧が難しい理由

SSDはデータの保存方式が複雑で、次のような理由からHDDより復旧が難しくなります。
①データがバラバラに記録される
SSDは記録セルの劣化を防ぐため、データを均等に分散して保存します。
そのため、データが物理的に連続しておらず、消去・上書き後の復元が困難です。
②コントローラの破損=致命傷
SSDのコントローラは「データの場所」を管理する重要なパーツ。
ここが故障すると、記録されたデータの位置情報が失われ、復旧はさらに難しくなります。

③「TRIM機能」で消去後は復元困難
HDDでは削除しても「痕跡」が残るため復元が可能なことがありますが、SSDでは「TRIM機能」により完全削除されることが多く、復旧できないケースが増加しています。
④専用設備が必須
SSDが物理的に壊れた場合は、専用のチップリーダーや解析装置を用いないと復旧できません。そのため、個人での対応は非常に危険です。
SSDは突然異常が発生することも多く、個人で原因を見分けて適切に対処することは非常に困難です。トラブルの原因に心当たりがない場合はデータ復旧業者に相談し、原因の特定とデータ復旧を依頼しましょう。
なぜデジタルデータリカバリーでは復旧困難なSSDの復旧事例が多いのか

SSDのデータ復旧は、削除データが即座に消去されるTRIM機能や、コントローラ・ファームウェアによる複雑な管理構造などにより、HDDに比べて難易度が高いとされています。
それにもかかわらず、デジタルデータリカバリーはこれまで数々のSSDの復旧に成功してきました。SSDの復旧事例が多いのには、理由があります。
データ復旧専門のトップエンジニアが在籍
SSDの復旧事例が多い理由の一つは、2,000件以上のSDカードやSSDの復旧を手がけてきたメモリ媒体の専門エンジニアが在籍していることです。基板の移植や回路修復といった独自の技術を駆使し、これまで復旧が難しいとされていた障害にも多数対応。さらに、PCやサーバー環境を含む高難度な復旧を120件以上こなしてきた実績もあり、こうした高度な技術力がSSD復旧の成功率の高さにつながっています。
メーカーから復旧不可とされたSSDの復旧事例

メーカーで「素子障害により復旧不可」と診断された外付けSSDから、90%以上のデータ復旧に成功した事例があります。
このSSDは特殊なUSB接続型で、一般的なSSD用・USB用どちらの復旧ツールでも対応できない構造でした。そこで当社では、専用の復旧ツールを自社で開発。約15日間の作業のうち半分をツール作成に充て、ファームウェア修復とデータ抽出に成功しました。
メーカーで断られたケースでも、独自技術によって復旧できる可能性があります。
国内最高峰の復旧設備

SSD復旧の成功事例の多さはデジタルデータリカバリーの技術力の高さを象徴しています。復旧成功の要因として、次の点が挙げられます:
- 蓄積された知見に基づき、障害箇所を正確に特定
- 最新技術を駆使した独自の復旧手法を開発
- 精密な環境での復旧作業(専用クリーンルーム完備)
これらの要素が、他社では対応が難しいケースでも「不可能を可能に」しています。
「他社で復旧できなかった機器のご相談件数7,300件超」ですので、他社で復旧してもらえなかった機器であっても、デジタルデータリカバリーでは復旧できる可能性もございます。是非ご相談ください。
初期診断・相談・見積まで無料で対応可能
初期診断とは、機器に発生した障害の原因を正確に特定し、復旧の可否や復旧方法を確認する工程です。デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が「初期診断」を行い、内部の部品にダメージを与えることなく問題を見つけます。
データ障害のパターン15,000種類以上もありますが、「ご相談件数46万件超」(算出期間:2011年1月1日~)を持つ当社は、それぞれの障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
機器の状態によって故障の程度が異なりますので、復旧完了までにいただくお時間はお客様の機器お状態によって変動いたします。
弊社は、復旧完了までのスピードも強みの1つで、最短即日復旧・ご依頼の約8割を48時間以内に復旧完了などの実績が多数ございます。ご要望に合わせて柔軟に対応させていただきますので、ぜひご相談ください。
営業時間は以下の通りになっております。
365日24時間、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。お困りの際は是非ご相談ください。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
電話番号:0800-333-6302
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数46万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。