突然の停電が原因でNASサーバーが起動しなくなり、
- 社内共有フォルダにアクセスできない
- 顧客情報が確認できず業務が止まった
- バックアップすら確認できない
といった状況に陥っていませんか?こうしたケースでは、NAS本体・内蔵HDD・システムのいずれかに深刻な障害が発生している可能性があります。
NASが使えない状態を放置すると、重要な業務データや顧客対応履歴が失われる恐れがあり、業務停止や信頼喪失など、企業として致命的なダメージを受けかねません。
そのため、停電後にNASが起動しない場合は、自己判断での操作は避け、障害箇所を正しく見極めた上で、適切な対処が不可欠です。
本記事では、停電が引き金となるNAS障害の原因とその症状、そして安全かつ確実に復旧するための手順を、専門家の視点から解説します。
ご自身での対応が難しいと感じた場合や、重要データが失われては困る状況であれば、相談と初期診断は完全無料・24時間365日対応です。まずは状況の確認から、私たちにお気軽にご相談ください。
目次
停電後に見られるNASの典型的な症状
停電後にNASでトラブルが発生した場合、様々な症状が現れる可能性があります。
これらの症状は単独で現れることもあれば、複数同時に発生することもあります。症状の組み合わせを注意深く観察することが、原因究明の第一歩となります。
起動不良、アクセス不能、共有フォルダへの接続失敗
最も一般的な症状の一つが、NASの起動に関する問題です。
以下のような現象が見られます。
- 電源ボタンを押してもNASが全く反応しない
- 起動シーケンスが途中で停止する
- IPアドレスにアクセスしても管理画面が表示されない(例:「このページは表示できません」など)
- ネットワーク上でNASが検出されない
- 共有フォルダにアクセスしようとするとエラーが出る
これらはいずれも、内部システムやストレージに障害が発生している可能性を示す兆候であり、早急な対応が求められます。
エラーランプの異常点灯・点滅(赤色、橙色等)
多くのNASにはステータスやHDDの状態を示すLEDランプが搭載されています。停電後、これらが通常とは異なる状態を示すことがあります。
- 赤色や橙色に点灯・点滅する
- 特定のパターンで連続的に点滅
これらは、HDD故障、RAID異常、ファン停止、システムエラーなど、内部に重大な障害が発生している可能性を示しています。ランプの挙動の意味はメーカーや機種によって異なるため、マニュアルの確認が不可欠です。
| メーカー | 機種シリーズ例 | ランプ名 | 色/点滅パターン | 考えられる主な原因/意味 | 初期対応案/参照情報 |
|---|---|---|---|---|---|
| Buffalo | LinkStation | STATUS/INFO | 赤点滅・橙点滅 | HDD故障、RAIDアレイ異常、ファン異常、システムエラー | NAS Navigator2でエラーコード確認、マニュアル参照 |
| Buffalo | TeraStation | STATUS/INFO, HDDランプ | 赤点灯・赤点滅 | HDD故障(E16, E23, E30等)、RAID異常(E13, E14等)、システムエラー(E04等)、ファン故障(E11) | 液晶パネルまたはNAS Navigator2でエラーコード確認 |
| Synology | DSシリーズ | STATUS, ALERT, HDDランプ | 橙点灯・橙点滅、赤点灯 | ボリュームクラッシュ、HDD故障、パーティション異常、ファン故障、過熱 | DSM通知、Synology Assistantで状態確認 |
| QNAP | TSシリーズ | STATUS, HDDランプ | 赤点灯・赤点滅 | HDD故障、RAIDデグレード、システムエラー、過熱 | 管理画面ログ確認、ビープ音確認 |
※上記は一例であり、正確な内容は各製品のマニュアルをご確認ください。
異音(クリック音、ビープ音)の発生
NASから異音が発生する場合、次のような状態が疑われます。
- HDDから「カチカチ」「カタカタ」などの連続音(クリック・オブ・デス)
- HDDの磁気ヘッドやプラッタが損傷している可能性が高い
- 警告音(ビープ音)が鳴る:RAIDエラーやファン故障などの通知
クリック音が確認された場合は、直ちに電源を切り、それ以上の通電を控えることが重要です。
ネットワーク接続の問題(IPアドレスの変動等)
停電後、NASに以前使用していたIPアドレスでアクセスできなくなることがあります。
- DHCPにより新しいIPアドレスが自動割り当てされている
- ネットワーク設定が初期化・変更されている
このような場合は、Synology AssistantやBuffalo NAS Navigator2などのユーティリティを使ってNASを検出し、現在のIPアドレスを確認しましょう。固定IP設定か自動取得設定かによって、再設定方法も異なります。
管理画面上のエラーメッセージ表示
NASにログイン可能な状態であれば、以下のようなメッセージが表示されることがあります。
- 「ハードディスク[x]に障害が発生しました」
- 「RAIDアレイがデグレードモードで動作しています」
- 「ファイルシステムにエラーが検出されました」
これらのメッセージは、トラブルの内容を把握するための重要な手がかりです。
表示された内容は、以下の方法で必ず記録しておくことをおすすめします。
- スクリーンショットとして保存する
- テキスト形式で控えておく
複数のエラーメッセージが表示されている場合や、RAIDアレイがデグレード状態にある場合、次のような深刻な可能性も考えられます。
- ソフトウェアの不具合ではなく、ハードディスク自体の物理障害
- 自己流での対応により障害が拡大するリスク
- 最悪の場合、すべてのデータが失われる恐れ
こうした状況では、個人での対応には限界があるため、専門的な知識と設備を持つデータ復旧業者への相談が重要になります。
当社では、NAS機器の構造とRAIDの特性に精通した専任チームが対応し、初期診断を無料で実施しています。表示されたエラーメッセージや現在の状態をもとに、最適な復旧プランをご提案します。
NASから異常なメッセージが表示された場合、データ消失を防ぐためにも早急な相談が求められます。相談・初期診断は無料、24時間365日体制でご相談を受け付けています。まずはお気軽にご相談ください。
法人向けデータ復旧サービスをお探しの方へ
法人のお客様では、社内サーバやRAID構成のストレージ、業務用PCや外付けHDDといった社内のデータ環境でトラブルが起きると、単なるデータ損失だけでなく、業務停止や情報漏えいリスクにつながるおそれがあります。
「自分で試してよいのか」「どのタイミングで専門業者に相談すべきか」判断に迷われる法人ご担当者様も少なくありません。当社では、法人専任のアドバイザーが状況を伺い、最適な復旧プランをご案内します。
サーバやNASなど機器を社外に持ち出せない場合は、専門エンジニアによる出張訪問での診断・復旧にも対応しています。セキュリティ体制や復旧事例、よくある質問は、以下の法人向け専用ページにまとめています。業務データの復旧でお困りの際は、こちらもあわせてご覧ください。
サーバー・RAID・NASからデータ復旧する際の注意点
サーバー・RAID・NASからデータ復旧する際の注意点は次の通りです。
電源のON/OFFを繰り返さない
電源のON/OFFはサーバーに内蔵されているHDDに大きな負荷がかかります。もし障害が発生しているHDDに負荷が加わると、故障の症状を悪化させたり、別の障害を併発する可能性が高まります。
軽度の障害がより悪化するのを防ぐためにも、サーバーの電源が入らない・起動しない際に電源のON/OFFを繰り返すのは控えましょう。
リビルド(再構築)しない
安易にRAIDの再構築(リビルド)を行うと、失敗してしまう危険性があります。
RAIDを構成している複数台のHDDは、同時期に購入・生産されていることが多く、1台に障害が発生すると他のディスクもほぼ同時期に障害が発生するケースが多くあるためです。
HDDは取り出さない

HDDの取り出し(交換)はとてもリスクがある行為です。 1台のHDDだけでなく他のドライブにも異常があった場合、HDDを交換してもデータが元に戻るどころか、最悪の場合取り出せなくなってしまいます。
また、RAID構成を組んでいるのであれば、HDDを取り出して単体でPCにつなぐ行為は絶対に行ってはいけません。情報が上書きされ、データ復旧の難易度があがってしまうためです。
データ復元ソフトは使用しない
データを復元するソフトウェアは、サーバーやNASで使用することをお勧めしません。なぜなら、復元ソフトウェアは軽度の問題にしか対処できず、正確び問題を特定することが難しいため、問題を悪化させるリスクが高くなるからです。
また、安易にデータ復元ソフトを使用すると、HDDに負荷がかかり、状態が悪化する可能性があります。サーバーに保存されているデータを安全に取り出すためには、データ復元ソフトの使用を避けることが賢明です。
停電後のNASトラブルシューティング手順
停電後のNASは、物理的・論理的な障害の両面で問題が発生する可能性があるため、段階を踏んだ冷静な対応が求められます。
初期診断の進め方と安全確認手順
停電後に最初に行うべきは、NAS本体や周辺機器の状態確認と、トラブルの症状を正確に記録することです。
- NAS本体、ACアダプタ、電源ケーブル、LANケーブルなどに焦げ付き・膨張・異臭がないか目視で確認する
- 物理損傷がある場合は、ただちに電源を抜いて専門業者へ連絡する
- 電源が入る場合は、エラーランプ、エラーメッセージ、ビープ音などを記録する
- HDDから異音がある場合は即時シャットダウンし、以降の通電を中止する
ネットワークや接続ケーブルの再確認
NASが反応しない場合でも、単なる接続不良やネットワーク異常が原因である可能性があります。
- NAS本体と電源・LANケーブル・UPSとの接続状態をすべて確認する
- 異常がない場合、一度だけNASを再起動してみる(異音や焦げ臭がない場合に限る)
- ルーター・ハブを再起動し、IPアドレスの変更がないかNAS検索ツールで確認する
- 特定のPCからアクセスできない場合は、そのPCのネットワーク設定を見直す
HDDのS.M.A.R.T.情報の確認方法
NASにアクセスできる場合、HDDの健康状態を確認することで障害の有無をある程度把握できます。
- NASの管理画面にログインし、ストレージマネージャやハードディスク情報を開く
- S.M.A.R.T.項目で「Reallocated Sector Count」や「Pending Sector」などの値を確認
- 異常がある場合は、対象HDDの交換を検討(RAID構成の場合は慎重に対応)
- 短時間テスト(クイック)、詳細テスト(拡張)を必要に応じて実行する
ファイルシステムのチェックと修復手順
NASのOSに備わっているファイルシステムチェック機能を活用することで、軽微な論理障害は回復が期待できます。
- 管理画面からストレージ設定に進み、該当のボリュームを選択
- 「チェック」または「修復」機能を選び、ファイルシステムの検査を実行
- 作業中はアクセスできなくなるため、業務時間外に実行
- Linux知識がない場合はfsck等のコマンドは使用せず、NAS搭載機能のみを利用
ファームウェア更新・再インストールの判断基準と方法
ファームウェアの操作は最終手段であり、誤るとデータ消失につながるため、慎重な判断が必要です。
- NAS本体やHDDに物理的障害がないことが明確な場合にのみ検討
- 各メーカーのマニュアルをよく読み、リセット・再インストール手順を把握
- 更新前に、データのバックアップがあるか、他に手段がないことを確認
- リスクを理解した上で、更新や初期化を実行(専門業者に事前相談推奨)
ただし、停電後のNASトラブルは、軽微な設定不具合から深刻なHDD物理障害まで幅広く、自力での対応が難しいケースも多く存在します。以下に該当する場合は、無理に作業を続けず、速やかにデータ復旧の専門業者へ相談することを強く推奨します。
デジタルデータリカバリーは、これまでに50万件以上の相談実績(※1)を持ち、一部復旧を含む復旧件数割合92.6%(※2)という高い成果を上げています。相談から初期診断まで無料で、24時間365日対応していますので、不安を感じた時点でお気軽にご相談いただけます。
※1 期間:2011年1月以降
※2 2025年9月実績。一部復旧:完全復旧に至らなかったが、一部復旧できた場合。完全復旧:復旧希望データを100%復旧できた場合
なぜデジタルデータリカバリーでは復旧困難な機器の復旧事例が多いのか
デジタルデータリカバリーはこれまで数々の復旧に成功してきました。復旧事例が多いのには、理由があります。
業界トップクラスの実績
私たちデジタルデータリカバリーは、17年連続で国内売上No.1(※1)。累計50万件以上(※2)の相談実績をもとに、あらゆるデータトラブルと向き合ってきました。
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そう言っても過言ではありません。
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すべての相談内容を電子カルテのように管理し、障害のパターンと復旧手法を社内でデータ化。
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国内最高峰の復旧設備
復旧の成功事例の多さは、デジタルデータリカバリーの技術力の高さを象徴しています。復旧成功の要因として、次の点が挙げられます:
- 蓄積された知見に基づき、障害箇所を正確に特定
- 最新技術を駆使した独自の復旧手法を開発
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これらの要素が、他社では対応が難しいケースでも「不可能を可能に」しています。
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相談から初期診断まで無料で対応可能
初期診断とは、機器に発生した障害の原因を正確に特定し、復旧の可否や復旧方法を確認する工程です。デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が「初期診断」を行い、内部の部品にダメージを与えることなく問題を見つけます。
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※2:期間:2011年1月1日~
※3:2025年9月実績。一部復旧:完全復旧に至らなかったが、一部復旧できた場合。完全復旧:復旧希望データを100%復旧できた場合。
※4:算出期間:2016年6月1日~
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
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電話番号:0800-333-6302
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復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人

デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計ご相談件数50万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。











































