ある日ふと、いつものように外付けHDDをつないだのに「何も表示されない」「電源ランプは点いているのに、中身は空っぽ」「ケーブルを挿し直しても反応がない」。
これらは「よくあるトラブル」なんですが、この段階でむやみに再起動を繰り返したり、無料ソフトで修復を試そうとすると、かえって状態を悪化させてしまうこともあります。
そこでこの記事では
- そもそも「データ復旧」とは何か?
- なぜ見えなくなったデータが「復旧」できるのか
- 「修理」と「データ復旧」の違いとは?
- どの段階で専門業者に相談すべきか
といった基礎的なポイントを、現場の知見を交えて分かりやすく解説していきます。
目次
そもそもデータ復旧とは?
そもそも「データ復旧」とは、どのような作業なのでしょうか。
ひとことで言えば「見えなくなったデータを、もう一度取り戻すための作業」です。
状況によっては、壊れた機器を一時的に動かし、ファイルを読み出すこともあります。
障害の内容に応じて、必要となる作業や方法は異なります。
データ復旧の対象となる機器は主に以下のようなものです。
- パソコン本体や外付けHDD
- USBメモリやSDカード
- SSD(ソリッドステートドライブ)
サーバーやRAIDといった業務用途は特殊な構成になるため、別の診断が必要です。
データ復旧の仕組み
データ復旧の仕組みを正しく理解するには「HDDの仕組み」と「データが消える仕組み」を知っておく必要があります。なぜなら、データが「どこに」「どのように」保存されているかを知らないと、どのように失われ、どうすれば取り戻せるかが見えてこないからです。
HDDの仕組み

HDD(ハードディスク)は、データを記録・読み出しするための精密な装置です。内部は主に次の部品で構成されています。
- スピンドルモーター:ディスクを高速で回転させ、読み書きを可能にします。
- 磁気ディスク:データを保存する円盤。容量に応じて複数あります。
- 磁気ヘッド:プラッタの表面すれすれを動き、データの読み書きを行います。
- PCB基板:HDD全体を制御し、パソコンとデータのやりとりを行います。
信号は基板からヘッドへ送られ、ヘッドがプラッタにデータを書き込みます。読み出すときは逆の流れになります。
HDDは見ての通り「レコードプレーヤー」に似た構造ですが、磁気ヘッドはディスクに触れず浮いて動きます。そのため衝撃に弱く「ヘッドクラッシュ」(磁気ヘッドが何らかの原因でプラッタに接触し、磁性面を傷付けてしまう現象)でデータが壊れることもあります。
異音や認識エラーがあるときは、自分で開けたり操作を続けたりせず、専門業者に相談するのが安全です。
データが消える仕組み
データが見えなくなる原因は、大きく分けて2つあります。
論理障害とは、データの中身自体は残っているものの、データを管理するための仕組みが壊れている状態です。誤って削除・フォーマットしてしまった、などの場合が該当します。
一方の物理障害とは、HDDの部品に破損や損傷があり、そもそも中のデータにアクセスできない状態です。落下や水没、経年劣化などが主な原因です。
論理障害は、適切な方法を使えばデータが戻る可能性が比較的高くなります。一方で、物理障害の場合は、特殊な設備や技術が必要になるため、自力での対応はおすすめできません。
このように、「見えなくなった=消えた」とは限らず、多くのケースでは中にデータが残っている可能性があります。正しく状況を見極めることが、復旧成功への第一歩です。
なぜ「復旧できる」のか:データは消えたようで残っている
記憶装置では、ファイルを削除しても中身のデータがすぐに消えるわけではありません。多くの場合、インデックス情報が更新されるだけで、データ本体はしばらく残っています。
別のデータで上書きされていない段階であれば、専用のツールや技術を使ってファイルを探し出せる可能性があります。
一方で、装置自体にダメージがある物理障害は、HDDを分解し、内部の部品から直接データを取り出す必要があります。
こうした作業には、クリーンルームと呼ばれる無塵の専用環境と、高度な設備・技術が不可欠です。自力での対応は難しく、危険をともなうため、専門業者に任せるのが安全です。
誤解されやすいポイント
アクセスできない場合でも、まだ情報が残されているケースが少なくありません。とはいえ、自己流の復旧を試みると、状況を悪化させるリスクも高まります。誤操作による上書きや、部品のさらなる破損が起これば、データ復旧の難易度は一気に高まります。
ここでは、誤解されがちなポイントを整理しながら、避けるべき操作や判断ミスについて見ていきましょう。正しい理解が、復旧の可能性を左右します。
誤解ポイント①「データ復旧って修理とは違うの?」
まず知っておきたいのは「修理」と「データ復旧」は目的も手段も全く異なる作業ということです。
パソコンが突然動かなくなったとき、多くの方が「修理しよう」と考えがちですが、その中に大切な写真やデータが残っているなら立ち止まって考える必要があります。
データ復旧は、壊れた機器からデータそのものを取り出すことが目的です。機械が動くかどうかは関係なく「中の情報を救う」ことに注力する作業です。
一方、修理の目的は「機器を使えるようにすること」。
場合によっては内部のストレージが初期化・交換されてしまうこともあります。データトラブル時は修理に出す前に、まずデータ復旧を検討してください。
以下に表形式でその違いをまとめました。
| 修理 | データ復旧 | |
| 目的 | 壊れた機器を再び使えるように直す | 動かなくなった機器からデータを救出する |
| 復旧対象 | ハードウェア本体(部品・回路・OSなど) | 機器内部のデータ領域(記録媒体) |
| 復旧方法 | 部品交換や初期化、動作確認などを実施 | 機器を分解・解析し、データを直接抽出 |
| データへの影響 | 初期化やテスト書き込みによりデータが消えることが多い | 機器は使えなくなる場合もあるが、データは別媒体に再構築できる |
| 結果 | 機器は再使用可能だがデータは失われることが多い | 機器は再使用不可だがデータを取り戻せる |
誤解ポイント②「”リカバリー”すれば なんとかなるの?」
ここで混同しやすいのが「リカバリー」という言葉です。
IT用語の「リカバリー」は、パソコンを工場出荷時の状態に戻す作業(初期化)を指すことが多く、データの復旧ではなく初期化にあたります。
特に注意したいのが、初期状態に戻すために使われる「リカバリーディスク」。これを使ってしまうとデータは完全に上書きされてしまいます。
だからこそ記憶装置に異常を感じた時点で、早めに専門業者へ相談することが重要です。適切な診断と対応によって、失われたと思っていたデータを取り戻せる可能性が高まります。
ソフトで復旧すべき? 業者に依頼すべき?
データが消えたとき、多くの人が最初に考えるのが「復旧ソフトでなんとかできないかな?」という方法です。
ソフトでの復旧にはリスクもある
データ復旧業者は何をしてくれるのか
軽いトラブルなら、復旧ソフトで元に戻せることもあります。
しかし「HDDからカチカチと音がする」「電源を入れても反応がない」「使用して5年以上経っている」といった症状がある場合は、無理にソフトを使う前に、まず無料診断を行っているデータ復旧業者に相談するのが最も安全です。
むろんデータ復旧業者の仕事は、ただ復旧ソフトを動かすだけではありません。
先ほど説明したとおり、HDDの中には「磁気ヘッド」と呼ばれる、データを読み書きする針のような部品があります。ここが壊れている場合、専門業者は「クリーンルーム」というホコリひとつ入らない特別な作業室でHDDを分解し、新しいヘッドに交換します。

ほかにも、複数のHDDを組み合わせたRAID(レイド)という仕組みの復旧や、レコーダー内で暗号化された映像データを元に戻す作業など、一般の修理店では到底できない専門的な作業を行うのがデータ復旧業者です。
見えないデータでも、取り戻せる可能性があります
デジタルデータリカバリーでは、論理障害・物理障害の両方に対応した専門体制を構築し、国内最大級の設備と専門知識を活かして対応しています。これまでに50万件以上の相談実績(期間:2011年1月~)を持ち、一部復旧を含む復旧件数割合92.6%(内、完全復旧52.0%。復旧件数割合=データ復旧件数/データ復旧ご依頼件数。2025年9月実績)という高い成果を維持しています。
大切なデータに不安がある場合は、早めの診断が復旧成功の鍵を握ります。当社では、初期診断とお見積りは無料で、24時間365日体制でご相談を受け付けています。まずはお気軽にお問い合わせください。
自力で対応できない場合はデータ復旧の専門業者に相談する

自力で対応できない場合や、機器が物理的に破損している場合、個人での修復は困難です。重要なデータが含まれている場合、データ復旧専門業者に依頼するのが最も安全です。
データ復旧業者では、問題の根本原因を特定し、安全にデータを回復する最善の方法を提案できます。デジタルデータリカバリーでは、相談から初期診断まで24時間365日体制で無料でご案内しています。まずは復旧専門のアドバイザーへ相談することをおすすめします。
デジタルデータリカバリーの強み

デジタルデータリカバリーは「データ復旧専門業者17年連続データ復旧国内売上No.1」(※1)の実績を持つデータ復旧業者です。
データ復旧の技術力として、一部復旧を含む復旧件数割合92.6%(※2)を誇っています。
他社で「復旧不可能」と判断された機器を、当社が復旧に成功した事例は数えきれません。実際に、他社復旧不可相談件数でも8,000件超 (算出期間:2016年6月1日~) を超えています。
これこそが“データ復旧の最後の砦”と呼ばれる理由です。どんな状態でも、諦める前にまずはご相談ください。最善を尽くしてデータを取り戻します。
※1:データ復旧専門業者とは、自社及び関連会社の製品以外の製品のみを対象に保守及び修理等サービスのうちデータ復旧サービスを提供し、その売上が総売上の50%以上を占める企業のこと。第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく(算出期間:2007年~2023年)
※2:2025年9月実績。一部復旧:完全復旧に至らなかったが、一部復旧できた場合。完全復旧:復旧希望データを100%復旧できた場合
相談から初期診断まで無料で対応可能
初期診断とは、機器に発生した障害の原因を正確に特定し、復旧の可否や復旧方法を確認する工程です。デジタルデータリカバリーでは、経験豊富な技術者が「初期診断」を行い、内部の部品にダメージを与えることなく問題を見つけます。
データ障害のパターン15,000種類以上もありますが、「ご相談件数50万件超」(算出期間:2011年1月1日~)を持つ当社は、それぞれの障害原因をデータベースから即座に情報を引き出し、原因を正確に特定できる体制を整えています。
よくある質問
いえ、かかりません。当社では初期診断を無料で実施しています。お客様の機器に初期診断を行って初めて正確なデータ復旧の費用がわかりますので、故障状況を確認しお見積りをご提示するまで費用は頂いておりません。
※ご郵送で機器をお預けいただいたお客様のうち、チェック後にデータ復旧を実施しない場合のみ機器の返送費用をご負担頂いておりますのでご了承ください。
機器の状態によって故障の程度が異なりますので、復旧完了までにいただくお時間はお客様の機器お状態によって変動いたします。
弊社は、復旧完了までのスピードも強みの1つで、最短即日復旧・ご依頼の約8割を48時間以内に復旧完了などの実績が多数ございます。ご要望に合わせて柔軟に対応させていただきますので、ぜひご相談ください。
営業時間は以下の通りになっております。
365日24時間、年中無休でお電話でのご相談・復旧作業・ご納品・アフターサービスを行っています。お困りの際は是非ご相談ください。
電話受付:0:00~24:00 (24時間対応)
電話番号:0800-333-6302
来社受付:9:30~21:00
復旧できる可能性がございます。
弊社では他社で復旧不可となった機器から、データ復旧に成功した実績が多数ございます。 他社大手パソコンメーカーや同業他社とのパートナー提携により、パートナー側で直せない案件を数多くご依頼いただいており、様々な症例に対する経験を積んでおりますのでまずはご相談ください。
この記事を書いた人

デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計ご相談件数50万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。








































