次のようなトラブルが発生した場合、自力での復旧を試みると、本来復旧可能だったデータを失う恐れがあります。
- 「HDDのデータが見られなくなってしまった」
- 「誤ってHDDのデータを消してしまった…」
- 「HDDから異音がして、パソコンが認識しない」
大切なデータを取り戻すためにも、HDD復旧の正しい選択肢を知りましょう。この記事ではHDDに発生する障害の種類ごとに、適切な対処方法を紹介します。
目次
HDD(ハードディスク)の2つの故障原因「物理障害」「論理障害」とは?
HDD(ハードディスク)には以下2つの障害が存在します。
- HDD自体が故障している「物理障害」
- データやシステムが破損する「論理障害」
それぞれの障害は、復旧難易度も、復旧アプローチも異なるため、データ復旧を検討する際には、障害原因が「論理障害」か「物理障害」か見極めることが重要です。
適切な判断には専門知識が必要なため、障害の種類を正確に診断し、確実にデータを取り出す場合は専門業者に相談しましょう。
物理障害
HDDは磁性体で覆われたディスク(プラッタ)と、データの読み書きを行うヘッドを中心に構成されており、非常に機械的な構造をしています。
HDDは部品の摩耗、落下、水没などにより内部のパーツが故障しやすく、これによりデータの読み取りや書き込みに問題が起こります。この状態を「物理障害」と呼びます。物理障害から自力で復旧を試みるのは難しく、特殊な機器・設備・環境での作業が必要となります。
たとえば次の症状が発生した場合、HDDに物理障害が発生していると考えられます。
- 「カチカチ」「ジー」といった異音がする
- 焦げたようなにおいがする
- 外付けHDDやパソコンが水にぬれた
- パソコンのエラー修復機能や復旧ソフトでデータが復旧できない
- 落下した後に、データへのアクセスができなくなった
HDDからカタカタと異音がする場合の対処法/HDDからビープ音がする場合の対処法はこちら
特に経年劣化は厄介です。HDDの寿命は3~5年程度とされ、使用状況により破損も早まります。HDDの経年劣化は自覚症状に乏しいものの、重度障害に発展しやすく注意が必要です。
※物理障害は個人で対処できない
HDD(ハードディスク)の内部機構は非常に精密で、わずかな塵埃や衝撃でもデータの損失や破損につながる可能性があります。
そのため、データ復旧作業は「クリーンルーム」と呼ばれる、塵埃や静電気が極力排除された環境で行われる必要があります。しかし、クリーンルームを保有している業者は数社しかなく、業者を選ぶ際には、その有無や規模を確認することが重要となります。
また物理障害からの復旧作業には専門的な知識と高度な技術が求められます。自力で対応しようと開封したり自力で開封しようとする行為は非常にリスクが高いため推奨されません。
デジタルデータリカバリーでは、経験豊富なHDD復旧専門のアドバイザーが、ご対応させていただきます。まずはお気軽にご相談ください。
論理障害
HDDのデータはファイルシステム(データを管理する目次のような機能)で管理されています。しかし、データの読み書き中の強制終了・人為的ミスなどが原因でデータ自体、またはファイルシステムが破損した場合、HDDの認識不良やデータ欠損などの問題が起こります。
この状態を「論理障害」と呼び、誤ったデータの上書き・削除も含まれます。
たとえば次の症状が発生している際には、HDDに論理障害が発生していると考えられます。
- エラーメッセージが表示される
- パソコンがフリーズする
- パソコンの動作が重くなる
- ファイルやフォルダが開けない
軽度の論理障害であればOS内蔵の修復ツールを用いて解決できますが、中には復旧精度が低いものもあります。むしろ、何度もフォーマットや復旧作業を行うなどして、データの上書きを繰り返すと、中~重度の障害に発展し、専門ツールや技術がなければ解決できなくなります。トラブル原因がわからない状態では、むやみに操作しないようにしましょう。
論理障害と物理障害の特徴をまとめると次のとおりです。
障害区分 | 物理障害 | 論理障害 |
---|---|---|
故障部位 | HDDの本体 | HDDのデータ・システム |
主な症状 | 異音・異臭の発生 起動できない エラーメッセージ |
ファイル誤削除 データ上書き データ初期化 |
復元方法 | データ復旧業者に依頼 | データ復旧業者に依頼 復元・修復ソフトを利用 |
両方の障害が発生していることも
次の症状は、論理障害と物理障害で共通して起こります。
- 外付けHDDが認識されない
- ロゴから先に進まない
- 再起動やフリーズを繰り返す
- コピーや保存ができなくなる
- 黒い画面に白い文字が表示される
- ファイルの読み書きに時間がかかる
- 画像や動画ファイル、またはフォルダが開けない
- 「フォーマットしますか?」「アクセスできません」と表示される
このように両方の障害には共通する症状も多く、障害が併発している恐れもあるため、「再起動を繰り返す」「フォーマットエラーが表示される」などの症状でも、適当に復元ソフトを使うと状態が悪化し、復旧不可能になることもあります。
データ復旧は手術と同様、何度もできるものではありません。最初の対応が復旧率を握るカギとなります。このとき「初期診断」が重要です。初期診断は、障害タイプを特定し、適切な復旧手法を選ぶ重要な工程です。豊富な経験と高い復旧率を持つ業者は、初期診断の精度が高く、適切な復旧作業を行うことが出来ます。
HDD(ハードディスク)のトラブルでよくある症状9選
HDDが故障した際によく起こる症状は以下の通りです。
故障したHDDから自力で対応できる/できない可能性が高い症状はこちら
症状①:データを誤削除・フォーマットしてしまった
データ削除後もしばらくの間、データ自体はHDD内に残っています。
読み込めない状態が考えられます。データを復旧させるためには、データに上書きが起こっていないかどうかが重要になります。通電や再起動によっても意図せずに上書きが行われてしまうので控えましょう。
Windows・MacPCのゴミ箱から誤って削除したときのデータ復元方法はこちら
症状②:パーティションを消してしまった
データの仕切りであるパーティションが消えると、OSはデータの境目が認識できなくなり、ファイルを表示できなくなります。この場合、データが消えていない可能性が高いため、フォーマットなどは行わないようにしましょう。
症状③:エラ―メッセージが表示される
HDDに物理障害または論理障害が発生し、データの統合性が失われた場合や、パソコンのエラーチェックに失敗した場合、「フォーマットする必要があります」「データエラー(巡回冗長検査(CRC)エラーです)」などのエラーメッセージが表示されることがあります。
その他にもエラーメッセージは多数存在しますが、「フォーマットする必要があります」は比較的よくみられるエラーメッセージです。「ディスクのフォーマット」をクリックするとデータがフォーマットされ、一般的な操作では保存データにアクセスできなくなります。
外付けHDDで「フォーマットする必要があります」と表示されたときの修復方法はこちら
巡回冗長検査エラー(CRCエラー)とは
一方で、巡回冗長検査エラー(CRCエラー)とは、HDDに致命的なエラーが発生し、クラッシュする前兆です。エラー補正機能で、HDDのエラーを修復しようとし、失敗した状態の時に表示されます。通電を続けると、完全にデータを失う可能性もあるため機器の使用を中断しましょう。
紹介したエラーメッセージは誤った操作や放置で、取返しがつかなくなる可能性が高いエラーです。他にもエラーメッセージは存在するので、意味を知って対処したい場合はインターネットでエラーメッセージを検索してみましょう。
症状④:Windowsが起動しない
Windowsが起動できない場合、WindowsOSが格納されているHDDに物理障害、または論理障害が発生している可能性があります。
特に「経年劣化が疑われる」あるいは「異音がする」といったケースでは、HDDに深刻な障害が発生していることが考えられるため、専門業者への相談をおすすめします。
Windows10/11が起動しない・立ち上がらない原因と対処法はこちら
症状⑤:ブルースクリーンが表示される
ブルースクリーン(ブルーバック)は、WindowsOSにのみ発生します。パソコン内部で何らかのトラブルが発生している場合に、ブルースクリーンで通知されます。ブルースクリーンは、論理障害でも物理障害でも同様に発生するため、きちんとトラブルを診断したうえで対処を行う必要があります。
症状⑥:頻繁に再起動・フリーズする
パソコンの動作が重い・頻繁に再起動を繰り返す・フリーズする場合は、一度デバイスドライバを更新してみましょう。
デバイスドライバとはパソコンに接続された周辺機器をコントロールするソフトウェアです。古いデバイスドライバのままだと、ブルースクリーンなど不具合を起こしたり、HDDが認識されなくなったりします。都度更新しておきましょう。
デバイスドライバの更新方法は次のとおりです。
- セーフモードで起動後「デバイス マネージャー」と検索欄に入力します。
- デバイス一覧から、更新するデバイスをダブルクリックします。
- プロパディの「ドライバータブ」から「ドライバーの更新」を選択すると完了です。
デバイスドライバを更新してもフリーズなどが直らない場合は、パソコンのソフトウェアやOS、あるいはHDD自体が破損している可能性が高いため、極力操作を控えましょう。
症状⑦:HDDが認識しない、アクセスできない
HDDが認識しない・アクセスできない場合、HDDに障害が発生している可能性が高いと考えられます。
ケーブルやコネクタなどの不具合も考えられますが、ランプがついているにもかかわらず、認識しない・アクセスできない場合は、Windowsの標準ツール「ディスクの管理」を使用して、HDDがWindowsに正しく認識されているかを確認できます。
「コンピュータの管理」内にある「ディスクの管理」を表示すると、Windowsに認識されているHDDが確認できます。
しかし、HDDがWindowsに認識されない場合、HDDに何らかの障害が発生している可能性が高いと考えられます。この場合、電源のON・OFFは避けてください。
症状⑧:HDDを落下・水没させた/落雷でショートした
HDDは超精密機器であるため、物理的な衝撃に弱いという特徴があります。たとえば、落下などの衝撃、または水没・落雷によるショートによって動作不良が起きた場合、ほぼ間違いなく物理障害が発生していると考えられます。
このような状態で電源を入れてしまうと、データが保存されるディスクを傷つけてしまい、データを二度と復元できなくなってしまう恐れがあるため、通電は控えましょう。
症状⑨:HDDから異音や異臭がする
HDDから異音や異臭が発生している場合、読み込み装置が損傷し、不規則な動作をしている可能性があります。
この状態で使用を続けると、データ面に傷がつく恐れがあります。「カチカチ」「カタカタ」など異音・異臭がする場合、データ消失を防ぐため速やかに使用を中止しましょう。
もっとも、最新のバックアップがあれば、データを素早く簡単に復元できますが、バックアップが古い、または存在しない場合は、専門のデータ復旧業者に依頼することをおすすめします。専門業者は、熟練のエンジニアが正確に障害を判別し、適切な方法でデータ復旧を行うことから復旧率も高く、自力で対応するリスクを感じることは一切ありません。
HDD(ハードディスク)を復旧・復元する方法7選
故障したHDDは以下の方法で復旧できる可能性があります。
ただ、問題の判別がつかない場合、自己修復を試みる前に専門家の意見を求めるべきです。
データ復旧業者では、復元ソフトでは対応できない物理障害でもデータ復元・復旧が可能です。失いたくない大切なデータがあれば、データ復旧の専門業者に相談しましょう。
対処法①:コネクタやUSBポートを交換する
外付けHDDではコネクタが劣化・断線していると、適切に電気供給が行われず、デバイスとして認識されないケースが多々あります(これは「筐体破損」と呼ばれます)。
この場合、コネクタやUSBポートの交換を行えば、通常は認識しますが、それでも認識されない場合は、HDDそのものに何らかの障害が発生していると考えられます。
対処法②:スタートアップ修復をおこなう
HDDを搭載したパソコンで、ブルースクリーンやフリーズが繰り返される場合、「スタートアップ修復」を行うことで問題を解決できる場合があります。
スタートアップ修復は、PCの起動が2回失敗すると、3回目で自動的に起動します。ロゴ画面に「PCを診断中」と表示されている場合、スタートアップ修復が行われています。
しかしスタートアップ修復に失敗すると、次の画面が表示されます。
この場合、ハードウェアが破損しているか、HDDに物理障害が起きていると考えられるため、専門業者に相談することをおすすめします。
対処法③:エラーチェックで修復する
HDDは認識されているにも関わらず、データにアクセスできない場合には、システムが破損している可能性があります。 この場合、パソコンに搭載されたエラーチェック機能を使うことで、一定の論理障害を解決することができます。
以下自力でできるパソコンのエラー修復機能を紹介します。初めに紹介するのはWindows10の修復機能です。この方法で軽度のシステムエラーを解決できます。
- エクスプローラーでHDDドライブを右クリックして「プロパティ」を選ぶ
- 「ツール」タブを開き、エラーチェックの「チェック」ボタンを押す
- ドライブのスキャンと修復をクリックする。
次に、不良セクタ(HDDで機能しない部分)の検知・修復が行えるchkdsk(チェックディスク)を紹介します。chkdskを実行する方法は次のとおりです。
- Win+Rを同時に押し、ファイル名を指定して実行ウィンドウを開きます。
- cmdと入力しコマンドプロンプトを起動します。
- 「chkdsk (調べたいディスクのドライブ文字)/f」と入力し、Enterで実行します。
ただし、いつまでもchkdskが終わらない場合、重度の物理障害が起きている可能性があります。この場合、個人での操作は控え、データが必要な場合は、データ復旧の専門の業者に対応を依頼しましょう。
またHDDを搭載したWindowsパソコンの起動・動作に必要なシステムファイルに障害が発生している場合、コマンドプロンプト上でシステムファイルチェッカー(sfc)を実行すると、システムファイルを修復できます。
コマンドプロンプトで実行する方法は以下の通りです。
- Win+Rを同時に押し、ファイル名を指定して実行ウィンドウを開きます。
- cmdと入力し、コマンドプロンプトを起動します。
- コマンドプロンプトに「sfc /scannow」と入力します。
- 「システムスキャンを開始しています…」と表示されたら、スキャンが終わるまで待ちます。
(所要時間:約1時間) - 「検証100%が完了しました」と表示されたら、スキャン完了です。
ただし、スキャン完了後に、次のエラーが表示された場合は別の方法を試しましょう。
「Windows リソース保護により、破損したファイルが見つかりましたが、それらの一部は修復できませんでした。」
上記のエラーが出た際には、「chkdsk c: /f」あるいは「DISM /Online /Cleanup-image /Restorehealth」で修復可能なケースがあります。
「Windowsリソース保護は要求された操作を実行できませんでした。」
上記のエラーが出た際にはPCを再起動、もしくはセーフモードで起動すれば、エラーを修復できることがあります。
対処法④:BIOSで対応する
BIOS(バイオス)は「Basic Input Output System」の略称でパソコンに実装されている様々なシステムの基軸になるものです。
BIOSの設定を見直す
BIOSは通常、Windows から起動するように設定されていますが、何らかの原因で起動の優先順位が入れ替わると、 メーカーロゴから先に進まなくなることがあります。
まずは、BIOSから起動順位の設定を見直しましょう。BIOSの設定画面は、「F2」キーを開き、「Boot Menu」もしくは「Change Boot Order」の項目から起動順位を確認することが出来ます。
BIOSの初期化を行う
BIOSが破損してしまった場合、初期化をすることにより修復することができます。
初期化する際は、設定画面の「Exit」タブにある「Load Default Settings」を実行しましょう。次に「Save and Exit」を選択して、PCを再起動しましょう。
対処法⑤:バックアップから復元する
WindowsやMacのPCには次のバックアップ機能が搭載されており、正しくバックアップ設定が行われている場合は、データを復旧させることが可能です。
たとえば、Windowsには 「ファイル履歴」という機能が存在し、一方でMacには「iCloudバックアップ」「Time Machine」などの機能が存在します。
ただし、バックアップ履歴が古い場合、復旧希望データがその中に含まれていないケースもありえます。この機能を使うときは「いつバックアップされたものなのか」は必ず確認しておきましょう。
対処法⑥:外部ツールやデータ復元ソフトを使用する
「HDDのパーティション」や「特定のファイルシステム」に問題が生じている場合、外部ツールや市販のデータ復元ソフトで復旧できることがあります。
外部ツールの中には削除したHDDのパーティションを復元するものや、エラーやフリーズといったトラブルを解決できるものもあります。
ただし操作や使用する機能を誤ってしまうと、必要なデータが削除される恐れもあるため導入する機能は慎重に判断しましょう。
一方でデータ復元ソフトは、誤って削除してしまったファイルや、ファイルが開けず、アクセスできないデータを検出し、元の状態に復元させるソフトウェアです。
外部ツールやデータ復元ソフトを選ぶポイント
外部ツールやデータ復元ソフトを選ぶ場合、復旧したいデータの拡張子に対応しているか、自分自身が利用しやすいものか調べましょう。料金によって復旧できる範囲が変わるものや、機能が豊富すぎて使いこなせない可能性もあります。
外部ツールの機能の中には不要なデータを削除する機能がついているものもあるので、自身にとって必要な機能は何か事前に決めておくと選びやすくなります。
有料ソフトと無料ソフトの違い
データ復元ソフトには、無料ソフトと、有料ソフトの2種類があります。
無料ソフトの場合、広く使われていることから、操作手順などを参照するのは難しくありませんが、機能が少ない上、復元対象OSがWindowsのみというパターンも多く、Macでは使えないこともあります。データ復元率もそこまで期待できません。
また解析が無料であっても、復元時は追加料金を支払わなければならないか、決められた容量までしか復元できないことがあります。
一方で有料ソフトでは、対応範囲が広く、容量制限もありません。しかし、有料のHDD復旧ソフトを使用してもデータ復元できないケースは非常に多いです。
データ復元ソフトのリスク
データ復元ソフトは、高性能であるほどリテラシーが求められ、適切な設定を行わないと、復元に失敗することがあります。HDDが物理障害も併発していた場合、高い負荷によって障害が悪化し、アクセスできていたデータも見られなくなる場合があります。
論理障害と物理障害には似ている症状もあるため、症状の原因がわからないまま使用すると取り返しのつかないことになります。大切なデータが保存されている場合はデータ復旧サービスの利用を検討するとよいでしょう。
データ復元ソフト利用後は、専門の業者であっても復旧難易度が高くなるケースが多いため、絶対にデータを失いたくない時ほど、ソフトの利用前に一度相談をおすすめします。
対処法⑦:データ復旧の専門業者に相談する
技術力の高いデータ復旧業者は、経験豊富なエンジニアによる正確な初期診断を基に、HDDに発生した問題の根本的な原因を特定し、高い復旧率を実現することができます。
しかし、技術力が低い業者による作業では、データをさらに損傷させる可能性があります。障害が発生している箇所が正確に特定できない場合、誤った修復作業を行い、本来取り戻せたはずのデータが消失するというケースも少なくありません。
この点、技術力の高い業者では、初期診断での状態の正確な把握が可能であり、難易度の高い復旧作業にも対応できるため、最初から技術力の高い業者に依頼することが望ましいです。データ復旧の成功率を高めるためにも以下3つのポイントを押さえておきましょう。
- 復旧実績や復旧率が数字で明記されている
- 他社で復旧できなかった機器からも復旧実績がある
- 復旧ラボを公開し、自社内に復旧設備を揃えている
信頼できる業者①「復旧実績や復旧率が数字で明記されている」
復旧実績や復旧率は、多くの場合、公式Webサイトで確認できます。
特に誰が見ても客観的に判断できる「数字」で実績を明記している企業は、信頼性が高いと言えます。中でも復旧率が90%以上あったり、実績が数十万件を超えるような業者であれば技術力は明白です。
一方で、具体的な数字を明記していない、または「国内最高レベル」など曖昧な表現のみで実績を述べる業者は信頼性に欠ける可能性があります。公表された数字の根拠は確認し、実績の信憑性についてもチェックしておきましょう。
信頼できる業者②「復旧ラボを公開し、自社内に復旧設備を揃えている」
データ復旧の業者の中には、自社で復旧作業をせず外注したり、自社内に専用設備を持たない業者も存在します。そのような業者に依頼すると、大切なデータの所在もわからず不安になると思います。
依頼するデータ復旧業者が以下に当てはまるかを必ず確認するようにしましょう。
- 自社内に復旧ラボを構えているか
- HDDの開封・分解をクリーンルーム内で行っているか
- 社内設備を一般に公開している透明性の高い業者か
国内で復旧ラボを構えている業者は限られています。Webサイトの情報だけではわからないことも多く、実態を知るには直接ラボの様子を確認するのが一番安心です。
信頼できる業者③「他社で復旧できなかった機器からも復旧実績がある」
業者によっては対応できる障害レベルに差があります。
技術力の低い業者に依頼すると、「失敗して復旧できなくなる」リスクがあります。一方、他社で復旧不能とされた機器からの復旧実績や、官公庁や大手企業からの依頼が多い業者は、技術開発に力を入れていると考えられ、信頼することができます。
私たちはデータ復旧分野で14年連続国内売上No.1(※1)のシェアを保持しており、最新設備とトップエンジニアを豊富に揃えています。
また、413,491件以上(※2)の累計相談件数を誇り、初期診断および復旧の精度と正確性において数多くのノウハウと技術を保有しています。初期診断と料金見積もりは無料で提供しており、経験豊富なエンジニアが正確に問題箇所を特定します。どうぞお気軽にお問い合わせください。
※1:第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく。(集計期間:2007年~2017年)
※2:期間:2011年11月1日〜
デジタルデータリカバリーが選ばれる理由について、詳しくはこちらで紹介しています。
HDD(ハードディスク)からデータ復旧・復元する際の注意点
注意点を確認せずに対処を行うと、誤った操作により障害を悪化させデータを失ってしまう可能性があります。場合によっては、データが取り出せなくなったり、復旧できなくなることがあります。
データ復旧は一発勝負とも言われます。必ず復旧前に以下の注意点を確認しましょう。
①通電や繰り返しの電源ON/OFF
電源のON/OFFする瞬間は、HDDに大きな負荷がかかります。HDD内に物理的な破損がある場合はさらに障害を悪化させる危険があるため控えましょう。
また、通電を行っただけでもデータの読み込みは行われるため、データが上書きされてしまいデータの復旧が難しくなってしまう場合もございます。
②OSの再インストール
OSの再インストール(リカバリー)を行うと既存のデータは上書きされてしまい消えてしまいます。上書きされてしまうとデータ復旧は難しくなってしまうのでOSの再インストールには注意が必要です。
③過度な強制終了
過度な強制終了はデータを失う危険性があります。HDDは常にデータの読み書きを行っており、そのような状態で強制的に終了してしまうとデータ消失につながってしまいます。
④HDDのフォーマット
HDDに異常が生じると、「フォーマット(初期化)しますか?」というエラーメッセージが表示されることがあります。これは、HDDのデータを管理するシステムが破損しており、データの場所が分からなくなっている状態です。
この状態でフォーマット(リカバリー)すると、通常の方法ではデータにアクセスできなくなります。もっともデータを優先せず、機器を使えるようにしたい場合はリカバリーも一つの手ですが、データの要不要に応じて実行するかを判断するようにしましょう。
⑤HDDの分解・開封
HDDは「プラッタ」と呼ばれるデータを書き込む部分に、小さなほこりや指紋が付着するだけでも正常な動作ができなくなる可能性があります。
復旧専門業者では、安全性を担保するために、手術室と同レベルの清浄度が高い環境でHDDの開封作業を行います。自力での分解・解体作業はおすすめしておりません。
復旧したいデータが保存されているHDDの分解や解体はしないようにしましょう。
⑥互換性を確認する
使用するデータ復元ソフトウェアが、OS互換性があるかどうかを確認することは極めて重要です。多くのデータ復元ツールはWindows向けに設計されており、MacOSやLinuxなど他のOSでは正常に機能しない場合があります。また、特殊なファイルシステムを使用しているデバイス、例えばNAS(ネットワーク接続ストレージ)やサーバ用のHDDでは、特定の復元ソフトが適合しないこともあります。
⑦操作ミスによる更なる損傷を考慮する
データ復元ソフトで誤った操作をすると、逆にデータをさらに損傷させてしまう恐れがあります。例えば、復元作業中にデータを上書きしたり、誤った選択肢を実行したりすることがこれに該当します。
こうしたリスクを避けるためにも、操作に自信がない場合は、プロのデータ復旧サービスを利用することが賢明です。専門業者は適切なツールと技術でデータを安全に復元できるため、高価なデータの失敗リスクを最小限に抑えることができます。
⑧データ形式を確認する
データごとに、それぞれ異なる復元アルゴリズムが存在するため、復元したいデータの形式がサポートされているかどうかを確認することが重要です。
特に、複雑なファイル形式を復元する場合には、慎重な選択が必要になります。多くのデータ復元ソフトは、一般的なファイル形式には対応していますが、CAD図面、大容量データ、業界固有のファイル形式などは、独自のデータ構造や圧縮技術を使用していることが多く対応できない場合があります。
ファイルを確実に復元するには、そのファイル形式がサポートされているかを復元を試みる前に確認し、必要に応じて専門のサポートを求めることが賢明です。
特に動画データは、一部が欠損していると再生エラーを起こすため、データ復元ソフトでの復旧作業にはそもそも向いていません。それに加えて動画は専用のコーデックや、特殊な拡張子が使用されていることが多いことから、高度なデータ復元技術が求められます。
自力で対処できず、データが必要な場合は、データ復旧の専門業者に相談する
「データ復旧は一度きり」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。データ復旧は外科手術に近く、何度も繰り返しできるものではありません。
特に「故障原因を判別できない」、「安全にデータを取り出したい」という場合は、安易に自力で修復せず、データ復旧の専門業者まで、ご相談されることをおすすめします。仮に、物理障害が起きている場合、データ復元ソフトや修復ツールを使うと、障害の進行は非常に早くなります。
私たちデジタルデータリカバリーは多くのお客様に選ばれ続けており、データ復旧専門業者(※1) でも14年連続データ復旧国内売上No.1(※2)を記録しています。
※1 データ復旧専門業者とは、自社及び関連会社の製品以外の製品のみを対象に保守及び修理等サービスのうちデータ復旧サービスを専門としてサービス提供している企業のこと
※2 第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく(集計期間:2007年~2020年)
- POINT:1 復旧実績や復旧率を数字で公開しています
- POINT:2 他社で復旧不可からも多数復旧に成功しています
- POINT:3 復旧ラボをすべて公開・自社内設備で復旧しています
※1:2018年2月実績 復旧率=データ復旧件数/データ復旧ご依頼件数(2017年12月~2021年12月の各月復旧率の最高値)
※2:期間:2011年1月1日~
※3:期間:2016年6月1日〜
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この記事を書いた人
デジタルデータリカバリー データ復旧エンジニア
累計相談件数41万件以上のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」において20年以上データ復旧を行う専門チーム。
HDD、SSD、NAS、USBメモリ、SDカード、スマートフォンなど、あらゆる機器からデータを取り出す国内トップクラスのエンジニアが在籍。その技術力は各方面で高く評価されており、在京キー局による取材実績も多数。2021年に東京都から復旧技術に関する経営革新優秀賞を受賞。